THE LAST MESSAGE 海猿

去年の実写日本映画第1位の興行収入を稼いだ、人気シリーズの第3弾にして完結編。でも、前作に相当がっかりさせられたので、絶対に劇場には観に行くまいと決意し、未見のままだった。レンタルDVDで鑑賞した。
前作があまりにひどい出来だったので、このブログでも酷評させてもらった。製作者たちが読んでくれていれば、本作も少しはよくなってるかもしれない・・・なんて、読んでるわけがないので、期待度ほぼ最低で鑑賞開始。

まず、前作の致命傷となったテンポの悪さについて。本作も129分という長尺なので、あまり改善されてはいないだろうと予測していた。結果は・・・少し良くなったかな。ここぞ見せ場!みたいなところで、いらんセリフともったいぶった間が出てくるのは相変わらずだが、それでも前作ほどではない。前作は、もう時間がないって時に携帯でプロポーズなんかするもんだから、逃げられるものも逃げられなかったからね。今回は、結果に影響を与えるほどのバカ場面はなかった。

でも、やっぱり余計なもの多いよ。レガリアを沈めに行く前の仙崎と下川のやりとりは、確かに盛り上がるところかもしれない。でもあんなに背中アップを続けると、ただの海上保安庁のPRビデオだよ。仙崎と服部が海水を注入するバルブを開ける前も同様。早くしないとガス爆発しちゃうんでしょ? そんな時に「お前は逃げたんじゃない。探していたんだ」なんて、哲学的なこと言うか? 勘弁してください。あれで爆発して5人とも助からなかったら、あんた英雄でもなんでもないわ。

環菜の場面も、ほぼ全部カットでいい。あの女、オロオロする以外何にもしてないからね。大体、ただ待つだけの女に出番作る必要あるの? 現実にはああいうのいっぱいいるんだろうけど、うざくて魅力なしなんだから、スクリーンでわざわざ見たくはない。あ、スクリーンじゃないから文句言えないか。

それでも一言言わせてくれ。「大輔がいなくなったら、あたしどうしたらいいの?」・・・子供育てるために働きなさい。甘えたことばっか言ってんじゃねえ。お前の何十倍も何百倍も苦労してるお母さんは、世の中にゴマンといるわ。

興収第1位の美酒に酔いしれている人たちには、これくらい言ってもバチは当たらんでしょう。どうせこのブログなんか読まないんだし。

こきおろすのはこれくらいにして、良かったところも。日本の特撮技術はどんどん進んでいるようで、巨大海上プラントの災害を描くという大仕事を、見事にやりきっていた。VFX面で弱いところはなかったので、ストーリーを集中して追うことができた。これは賞賛に値する。劇場では3Dで公開されていたが、ちょっと観てみたかったかな。

あれだけ海上保安庁を持ち上げてるんだから、かなりの協力を得られたものと推測する。ヘリだの巡視船だの、相当の物量作戦だったからね。災害パニックものとして迫力は十分だった。

盲目的に家族を愛する仙崎と泣くだけの環菜はさておき、その他のキャストはなかなかの熱演だった。特に、キャラを活かした佐藤隆太は、まさにはまり役。ああいうわざとらしい役でも、彼がやると自然に見えるところがいい。今回は遠くからの応援ということで、服部役の三浦翔平にバディのポジションを譲ったが、それでも存在感はあった。

レガリアに取り残された面々では、レガリア生みの親を演じた加藤雅也が印象的。彼って、もっとワイルドな主役級の俳優だと思っていた。でも「アンフェア」でも本作でも、脇で光る個性的な演技がうまいのね。こういう役者は仕事に困らないはず。これからもいろんな顔をみせてください。

これで完結のはずだったけど、これだけのドル箱シリーズだ。もっと欲が出てもおかしくない。「ファンの嘆願書が殺到した」ことを理由に、第4弾も作るらしい。粋じゃないなあ、こういうの。スパッと止めたらいいのに。放っておいても大ヒットするんだろうから、オレは劇場には行かないだろうな。特別なことでもない限り。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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