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七瀬ふたたび

筒井康隆の七瀬シリーズ、その2作目となる連作短編集の映画化だ。DVD借りてきた。
名作中の名作だが、実は最近になるまで未読だった。SFファンを自称していながら恥ずかしい限り。「家族八景」は昨年末に読んだ。それこそ夢中になって読んだ。お手伝い七瀬の受難に共感しまくると共に、筒井氏らしい内面描写に圧倒された。

「七瀬ふたたび」を読み終わったのは、ついこないだ。さまざまな能力者が登場するのが、この第2弾の新味だ。仲間としてその後の行動を共にする能力者もいれば、邪悪な心で能力を悪用するクソエスパーもいる。さらには、能力者たちを脅威と考えて抹殺を企てる謎の組織も現れて、物語の緊迫感は急上昇。これまた一気読みしてしまった。「エディプスの恋人」はこれから読む予定。

この短編集をどう映像にするのか、キャストの当たり外れはどうかが、映画化のポイント。原作の完成度が高いだけに、料理は難しかったと思われる。

物語は、原作の「ヘニーデ姫」と「七瀬 森を走る」を軸にして、その他のエピソードはモノクロの回想シーンとして処理している。このやり方がよかったのかどうかは、正直よくわからない。原作を読んでいるので問題なく理解できるけど、未読の観客にはわかりづらいんじゃないだろうか。もう少し話を整理して、回想に頼らない展開にすべきだったかも。

クライマックスからラストにかけては大きく手が加えられていて、より映画的な盛り上げを工夫していた。原作では仲間は全員死んでしまい、最後は七瀬も助かりそうにない終わり方だった。映画はずいぶん違うね。藤子は死なずに、七瀬との出会いにまでさかのぼる。もちろんそこにはノリオもヘンリーもいる。パラレルワールドだから、元の世界ではみんな死んじゃったんだろうけど、まだ希望が残るエンディングだった。これがいいのかどうかも正直わからないが、原作に漂うモヤモヤしたやるせなさは消えてしまった。

七瀬たちを追い詰める側が詳しく描かれているのも、映画版ならでは。対立が鮮明になったのはいいが、得体の知れない敵という不気味さは半減してしまった。これもまたいいのかどうか。

それ以外は概ね元ネタどおり。原作ファンも多いだろうから、あんまり脚色しすぎるのもリスクが高いと判断したんでしょう。

キャスティングの要は、何といっても七瀬だ。芦名星は、筒井氏が「もっとも七瀬らしい七瀬」と太鼓判を押しただけあって、陰りのある美しさを持つ主人公を見事体現していた。七瀬が成功していれば、7割OKでしょう。

藤子役のサトエリや、ノリオ役の今井悠貴、岩淵役の田中圭も、原作どおりのイメージで問題なし。もっとも難役と思われたヘニーデ姫も、前田愛が見事な衣装とメイクで完全に実写化していた。初めは誰だかわからなかったけどね。

ヘンリー役のダンテ・カーヴァーだけはイマイチ。彼はソフトバンクのイメージが強すぎだ。いつお父さん犬や上戸彩が出てくるかと冷や冷やした(嘘)。台詞回しも聞き取りづらい。もっと無名でいいから、ちゃんと日本語話せる外人がよかった。

特撮の出来はあまりよくない。ヘンリーの力で七瀬が湖上を飛ぶシーンは、興奮する前に失笑してしまった。七瀬が他人の心を読む場面も、もうひと工夫あってもよかった。言葉を羅列するより、イメージを多用した方が、観客には伝わったんじゃないだろうか。

原作が素晴らしいので、よほど変なことをしない限り失敗はない。でも成功もしていないのが、今回の映画化だ。やっぱり難しいよね。「パプリカ」みたいにアニメにした方がよかったのかも。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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