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白いリボン

2009年のカンヌでパルム・ドールに輝いた、ミヒャエル・ハネケ監督のモノクロドラマ。DVD借りてきた。
こういうの監督好きそうよね。一見静かな田舎の人々なんだけど、一皮むけばどす黒いものが渦巻いている。語り部役の若い教師の目を通して描かれる、戦争直前の不穏な雰囲気。何かが起こっているのは間違いないんだけど、それを暴こうとしても限界がある。結局、怪しい人は怪しいまま、物語は幕を閉じる。だって、戦争になっちゃったんだもの。

監督らしい毒のある演出は、ここでも健在だ。納屋の扉を開くと、そこで父親が首を吊っている。長年生活面でも下の面でも世話になってきた隣家の女性に、これ以上ないほどの罵声を浴びせかける。暢気に笛を吹いていた男爵の息子を、嫉妬心から突然川に投げ入れる。他の場面が穏やかなだけに、インパクトが強くて思わず目を背けたくなる。「そこまでしなくても」と、つい言いたくなるのがハネケ監督の作風なんだね。

本作でもっとも不気味なのは、子供たちだ。大人たちの前ではなかなか素顔を見せないが、裏では結構ひどいことをしているみたい。あんなかわいい顔した少女が、親の愛でる小鳥をハサミで串刺しにする場面は、心の底に広がる暗闇に唖然とした。男爵の息子のジギや障害者のカーリに対し、いじめの度を超えた悪さをしていたのは、純粋無垢な顔をしたあの子たちなんでしょ? まさに恐るべき子供たちだ。

一方で、親を慰めようと自分の小鳥を差し出す、心優しい子供もいる。結局のところ、子供に悪影響を与えているのは大人たちなのだ。自分の娘にいかがわしいことを考える医者、規律とリボンとロープで子供たちを縛りつけようとする牧師、尊大な態度を崩さない男爵、妻の死をもってしても男爵に頭を上げられない小作人、etc...。

でも、何かを解決して観客をすっきりさせような考えなんて、これっぽっちもないのがハネケ監督だ。だって現実は、うやむやのまま終わることの方が多いんだもの。後味悪いのは、想定の範囲内。

モノクロ映像の美しさは特筆に価する。特に、一面の銀世界となった村の美しいこと。でもその下には、深い深い闇が蠢いているのよね。これは強烈な皮肉だ。この映画をモノクロで撮ったのは、このためだったと推察する。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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