ザ・コーヴ

映画は観ないとわからない主義なので、話題作は単純に観てみたい。でも、いろんな情報が耳に飛び込んできて、日本人としてこの映画の製作者を儲けさせたくないのも正直な思いだ。だからDVDになるまで待つことにした。今回のレンタル代金は7泊8日で50円。これなら連中の懐に入るのもごくわずかだろう。
オレも日本人だから、ついつい批判的になってしまう。でもそれでは問題の本質を見失いかねない。捕鯨やイルカ漁に反対する人々は、感情が先走っていて決してまともではないし、どちらの立場でもない外国人は、他人事として映画を観て、製作者側の意図する方向に簡単に誘導されるだろう。この映画をもっとも冷静に観ることができるのは他でもない、我々日本人だけなのだ。だから、ただ単に作品の欠点を探すのではなく、日本人が進むべき正しい方向は何かを考えながら鑑賞した。
それでも観てれば腹の立つことに事欠かないこの映画。列挙すれば本ブログ最長になることは間違いない。でもそれは、ウィキペディアや他のブログに任せることにしよう。
オレが一番気になったのは水銀問題だ。映画では、国やマスコミが総力挙げて隠蔽を図っていると主張するが、魚に水銀が入っているのは日本では広く知られているよ。特に妊婦はクジラやイルカを食べたらダメなんでしょ? 監督の言う陰謀は存在しません。大体、普段からあんまりクジラ肉は食べないから関係ないんだけど。
イルカ肉を「クジラ肉」と表記して売っていることに少し驚いたが、この映画は一方で、クジラの一種であるイルカの捕獲をIWCが取り上げないことに疑問をぶつけている。あはは、じゃあ「クジラ肉」表記でも問題ないじゃん。クジラなんだから。
ただ太地町民の摂取量はやはり多いみたいで、昨年の調査では他地域と比べて4倍の水銀が毛髪から検出されたらしい。明確な被害は出てないみたいだけど、これはどう見てもイルカのせいだよね。
なので、オレの結論ははっきりしている。外国のイカれた環境活動家に何か言われるまでもなく、こういうやばいものは口にしない方がいい。あくまで自分のために、そして子供たちのために。
それ以外は非常によくできたプロパガンダムービーなので、映画としてはとても面白く、各賞受賞は理解できないでもない。イルカ漁を「悪」と決めつけて観れば、入り江に潜入する「オーシャンズ11」に感情移入するのはきわめて容易だ。スリルとサスペンスにホラーの要素も加わった、秀逸なリアル・エンタテインメントである。
でもよくよく見れば、穴だらけの論理と違法な撮影と挑発的な演出のオンパレードで、ドキュメンタリーとしてはとても褒められたものではない。こいつらのしたり顔を見ていると、反吐が出そうになる。リック・オバリー、警察に平気で嘘ついてたよ。自分が正しいと思うなら、日本の司法に対しては嘘つくなよな。
ただし、日本側にも問題がないわけではない。入り江が血で真っ赤に染まる追い込み漁は、観ていてさすがに気持ちのいいものではなかった。他の動物の屠殺だって変わりはないのだが、それを差し引いてもあの画はショッキングだ。あれが最もポピュラーなやり方だと言うならば、隠したりせずに堂々と公開すればいい。そして国を挙げて正当性を主張すればいい。隠すから探りたくなるのだ。
当事者がこそこそしているのに、それを全面的に支援しようという気持ちには、残念ながらなれない。正々堂々としていれば、頭の悪い動物愛護家やシー・シェパードみたいな環境テロリストを、真っ向から叩くことができる。だってヤツらは基本的に間違ってるし、汚いことを平気でやるんだから。
それから、漁師の人たちの態度も怖いよね。カメラ片手にヤクザもどきの迫力で威圧するんだもの。漁師言葉だから結構きついのよ。DVDでは顔にぼかしが入っていたけど、日本以外ではもろ見えだったらしいから、もっと迫力があっただろう。自ら「悪いことやってるのを隠してます」って言ってるみたい。イメージ悪いわー。それを狙われてるんだから、気をつけないと。
9割は上から目線のバカどもに腹が立つけど、どうにも弁護しきれない部分が1割あって、もやもやしたものが残った。こういうの精神的によくないわ。さっさと別の映画観ようっと。
<10/11追記>
昨日放送されたNHKスペシャル「クジラと生きる」を観た。太地町のその後を追ったドキュメンタリーだ。どう見ても人間的に劣っている外人どもの挑発に耐える太地町民の姿に心痛めた。カメラを顔の直前に突きつけたり、車の前に立って発車を妨害してるくせに「見てるだけ」とかのたまったり。この映画で懲りてるから、挑発に乗らないよう、みんな必死で我慢していた。
クジラ漁師の娘が、学校で討論している場面があった。最近の子はドライだから、平気で「クジラいらね」なんて言うんじゃないかと思いきや、まともな議論の応酬でほっとした。娘がその様子を父親に報告する場面は、素直に感動。「賢いから食べるなと言うんだったら、バカなら食べてもいいんですか?」中学生のこの意見に、堂々と反論できる反捕鯨家はいるのだろうか。いるわけがない。
そのとおりと思ったら、ポチッ!
オレも日本人だから、ついつい批判的になってしまう。でもそれでは問題の本質を見失いかねない。捕鯨やイルカ漁に反対する人々は、感情が先走っていて決してまともではないし、どちらの立場でもない外国人は、他人事として映画を観て、製作者側の意図する方向に簡単に誘導されるだろう。この映画をもっとも冷静に観ることができるのは他でもない、我々日本人だけなのだ。だから、ただ単に作品の欠点を探すのではなく、日本人が進むべき正しい方向は何かを考えながら鑑賞した。
それでも観てれば腹の立つことに事欠かないこの映画。列挙すれば本ブログ最長になることは間違いない。でもそれは、ウィキペディアや他のブログに任せることにしよう。
オレが一番気になったのは水銀問題だ。映画では、国やマスコミが総力挙げて隠蔽を図っていると主張するが、魚に水銀が入っているのは日本では広く知られているよ。特に妊婦はクジラやイルカを食べたらダメなんでしょ? 監督の言う陰謀は存在しません。大体、普段からあんまりクジラ肉は食べないから関係ないんだけど。
イルカ肉を「クジラ肉」と表記して売っていることに少し驚いたが、この映画は一方で、クジラの一種であるイルカの捕獲をIWCが取り上げないことに疑問をぶつけている。あはは、じゃあ「クジラ肉」表記でも問題ないじゃん。クジラなんだから。
ただ太地町民の摂取量はやはり多いみたいで、昨年の調査では他地域と比べて4倍の水銀が毛髪から検出されたらしい。明確な被害は出てないみたいだけど、これはどう見てもイルカのせいだよね。
なので、オレの結論ははっきりしている。外国のイカれた環境活動家に何か言われるまでもなく、こういうやばいものは口にしない方がいい。あくまで自分のために、そして子供たちのために。
それ以外は非常によくできたプロパガンダムービーなので、映画としてはとても面白く、各賞受賞は理解できないでもない。イルカ漁を「悪」と決めつけて観れば、入り江に潜入する「オーシャンズ11」に感情移入するのはきわめて容易だ。スリルとサスペンスにホラーの要素も加わった、秀逸なリアル・エンタテインメントである。
でもよくよく見れば、穴だらけの論理と違法な撮影と挑発的な演出のオンパレードで、ドキュメンタリーとしてはとても褒められたものではない。こいつらのしたり顔を見ていると、反吐が出そうになる。リック・オバリー、警察に平気で嘘ついてたよ。自分が正しいと思うなら、日本の司法に対しては嘘つくなよな。
ただし、日本側にも問題がないわけではない。入り江が血で真っ赤に染まる追い込み漁は、観ていてさすがに気持ちのいいものではなかった。他の動物の屠殺だって変わりはないのだが、それを差し引いてもあの画はショッキングだ。あれが最もポピュラーなやり方だと言うならば、隠したりせずに堂々と公開すればいい。そして国を挙げて正当性を主張すればいい。隠すから探りたくなるのだ。
当事者がこそこそしているのに、それを全面的に支援しようという気持ちには、残念ながらなれない。正々堂々としていれば、頭の悪い動物愛護家やシー・シェパードみたいな環境テロリストを、真っ向から叩くことができる。だってヤツらは基本的に間違ってるし、汚いことを平気でやるんだから。
それから、漁師の人たちの態度も怖いよね。カメラ片手にヤクザもどきの迫力で威圧するんだもの。漁師言葉だから結構きついのよ。DVDでは顔にぼかしが入っていたけど、日本以外ではもろ見えだったらしいから、もっと迫力があっただろう。自ら「悪いことやってるのを隠してます」って言ってるみたい。イメージ悪いわー。それを狙われてるんだから、気をつけないと。
9割は上から目線のバカどもに腹が立つけど、どうにも弁護しきれない部分が1割あって、もやもやしたものが残った。こういうの精神的によくないわ。さっさと別の映画観ようっと。
<10/11追記>
昨日放送されたNHKスペシャル「クジラと生きる」を観た。太地町のその後を追ったドキュメンタリーだ。どう見ても人間的に劣っている外人どもの挑発に耐える太地町民の姿に心痛めた。カメラを顔の直前に突きつけたり、車の前に立って発車を妨害してるくせに「見てるだけ」とかのたまったり。この映画で懲りてるから、挑発に乗らないよう、みんな必死で我慢していた。
クジラ漁師の娘が、学校で討論している場面があった。最近の子はドライだから、平気で「クジラいらね」なんて言うんじゃないかと思いきや、まともな議論の応酬でほっとした。娘がその様子を父親に報告する場面は、素直に感動。「賢いから食べるなと言うんだったら、バカなら食べてもいいんですか?」中学生のこの意見に、堂々と反論できる反捕鯨家はいるのだろうか。いるわけがない。
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■映画『ザ・コーヴ』
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