激突!

言わずと知れた巨匠の出世作。自前のDVDで鑑賞した。
今回は久しぶりの鑑賞で、自分で運転するようになってから観たのは初めて。自分がドライバーになってみると、今まで以上に主人公に肩入れしてしまうね。

自分はどちらかというと飛ばす方なので、あまりにトロトロ走る車に出くわすと、すぐにイライラしてしまう。あおるのはこっちも危ないのでしないけど、前を走る遅い車が何にもないところでブレーキ踏んでたりしたら、さすがに運転免許を召し上げたくなる。自分も短気だなあと思うけどね。

あんな巨体があんなスピードで目の前にいたら、「抜くからどけよ」と思うし、実際抜くだろう。普通にやることだ。それがあんな逆恨みを買うなんて、誰が想像する? 命がいくらあっても足りんわ。

劇中のタンクローリーの運転手は、デヴィッドが言うとおり間違いなく異常者だ。デヴィッドは何も悪くないし、彼があんな目に遭うのは理不尽としか言いようがない。

DVDの特典映像には、スピルバーグや脚本のリチャード・マシスンへのインタビュー映像が収録されていて、とても興味深かった。この「理不尽」さについても解説されていて、納得がいった。あのモンスタートラックって連続殺人車なんだね。

タンクローリーをよくよく見ると、前面にたくさんのナンバープレートが貼ってある。あれは過去の「戦利品」なんだって。あのトラックは、これまでもおんなじことを全米でやっていて、車を一台つぶすたびにナンバープレートが増えていった、ということらしい。映画史上類を見ないシリアルキラーだったわけだ。

他にも、主役をデニス・ウィーヴァーに決めた経緯や、スタジオ撮影ではなくロケにこだわった話、たった13日で撮り終えるために行った様々な工夫など、スピルバーグのインタビューは逸話が盛りだくさん。絵コンテならぬハイウェイ撮影マップなんて貴重な資料も登場した。

トラックが崖から落下する様子をワンショットでとらえるクライマックス。トラックをゴジラに例えたスピルバーグがあの場面に重ねたのが、恐竜の咆哮だ。まさに滅びゆく怪獣の断末魔の叫びだった。その音声は、後年の大ヒット作「ジョーズ」のラストにも使ったらしい。もちろんこれは本作へのオマージュ。

あの有名な踏切ぐいぐい押されまくりシーンは、全米でのTV放映後、海外での劇場公開が決まってから追加撮影したものらしい。あの名シーンが初めはなかったなんて驚きだ。でもそう言われると、確かにあの場面がなくても前後はつながるわね。

若きスピルバーグの熱い情熱が作り上げた、奇跡のようなサスペンスアクション。我が家のモニターは60インチなので、モンスタートラックに追われる恐怖を存分に楽しめた。でも本当は、劇場で大迫力を感じたい映画だね。

今開催中の「午前十時の映画祭」のラインナップにも入ってるので、主要都市に住んでいれば絶対観に行ったはずだ。こういうとき、田舎住まいは残念ね。これだけでもいいから上映してくれないもんかな。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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