100歳の少年と12通の手紙

ちょっとクサい邦題だが、本当に感動させてくれるのなら観ないと損だ。DVD借りてきた。
原題は「オスカーとピンクを着た女性」。女性の名前がローズなので、「オスカーとローズさん」と直訳もできる。ただこれでは客は呼べないと判断したのか、ローズがオスカーに提案した一風変わった心の交流が邦題になった。「200歳の少女」と比べると半分にしかならないが、こちらはファンタジーではなく難病もの。どうやったら100歳になるのか、知りたい方は映画をどうぞ、というわけか。

骨髄移植が不成功に終わり、先の見込みがないことを知ってしまうオスカー。病気になってから、ぎくしゃくした関係の両親を嫌い、偶然ぶつかった口汚い元レスラーのローズを話し相手に指名する。営業のために、渋々子供の相手を承諾するローズ。

いやいや引き受けた割には、結構子供あしらいがうまいのよね。1日で10年カウントするなんて提案、ちょっと思いつかないわ。先がどうなっていくか、ちょっと想像がつかないもの。神様に手紙を書くアイディアは、なかなかいい。風船にくくりつけて空に飛ばすとは考えたね。

レスラー時代の試合をマンガチックに見せる展開も、「アメリ」っぽくって面白い。百貫デブ女や生肉クチクサ女との闘いは、子供じゃなくても笑って楽しめる。

ローズと触れ合うことによって、10代で初恋、20代で結婚、30代で浮気騒ぎと、順調に(?)人生のステージを上がっていくオスカー。両親もいずれ死ぬことを理解して和解する一方で、愛する妻ペギーは別れの言葉もなく去っていく(病気が治って退院した)。これもまた擬似人生だ。

オスカーは100歳まで歳をとったところで、神様と出会い死期を悟り、そして静かに息を引き取る。ローズと両親が病室を外している間に亡くなってしまうのだが、あれは何だったのかな。医師の台詞「あの子がみんなを見守っていたんだよ」の意味がよくわからず、最高の感動シーンで???になってしまった。

この邦題がイマイチだと思うのは、思いきりネタバレになっているところ。少年が100歳(つまり10日)で死ぬことを堂々と宣言しちゃってる。このネタばらしは、ネタバレ全開ブログとはレベルが違う。ブログは読まなきゃいいけど、タイトルはそうはいかないからね。

オスカーを演じた少年アミールくんは、愛らしいだけでなく表情もバリエーション豊か。笑った顔は最高にかわいい。うまい子役っているもんだね。子役で終わらないことを祈ります。

ローズ役のミシェル・ラロックは、いろいろ出演作はあるみたいだが、オレは初見。決して美人ではないし、出だしの口汚さには閉口したけど、すぐに魅力的な女性になった。ローズは結構難しい役だったと思うよ。それをしっかり自分のものにしていました。

今年82歳になったマックス・フォン・シドウ。いまだに精力的に映画に出てくれているのはうれしい限りだ。フランス語までしゃべるなんて、一体何ヶ国語を操れるの? すごいおじいさんだわ。まだまだ頑張って、元気な姿を見せてください。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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