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歩いても 歩いても

7月19日に名優原田芳雄が亡くなった。彼の出ている映画が観たくて、DVD借りてきた。
本作は、是枝監督の後悔から始まった映画らしい。その後悔はもちろん、「孝行したい時に親はなし」だ。

自分の場合、幸いなことにまだ両親は健在。でも、実家を離れてもう20年以上経つ。帰省するのは年に数えるほどで、最近は1年以上帰っていない。親がいつまでもいるとは思っていないけど、いつか失うという確実な未来も実感はできない。こんな風にしてたら、いずれ自分も同じ想いを抱くであろうことは、容易に想像できる。

本作の主人公である次男も、いくつかの約束を果たさぬまま両親を失ったことを、モノローグで告白する。親の死期をわかっていたら、彼の行動はちょっとは変わったんだろうか。それとも、生きることに精一杯で、結局後回しにしてしまうんだろうか。絶対後悔するとわかっているのに。

樹木樹林期扮する母親は、とかく忙しく動き回り、世話焼きで、昔の話をするのが大好きだ。料理には自信があって、娘にいろいろ教えようとする。誰の母親でもこういう感じなのかな。少なくともオレには、とてもリアルに見えました。

海難事故で長男を失ってかなり経つのだが、その原因となった青年を毎年命日に招待する。次男が「そろそろ潮時じゃないか」と提案した時に返した母親の台詞は、シビアで怖くて、子を失った親の想いがあふれていた。樹木樹林、こういうのさらっと演じちゃうからすごいわ。

原田芳雄演じる父親は、自室にいるか外を散歩しているかがほとんどで、居間に出てくるのは食事の時だけ。そんな父親とうまく話せない次男役の阿部寛も、どこか自分とかぶるところがあって、他人事とは思えなかった。

オレも実家に帰れば、母親や妹とは普通に話すけど、父親とはそうでもない。自分の部屋からあまり出てこないので、顔を見ることもあまりない。どの父親も、これまたこんな感じなのかも。観ていてちょっと居心地が悪かった。

これといった事件も起こらず進む2時間。しかし、何気ない会話の端々に顔を出す家族のズレや、考え方の違いから生まれる微妙な緊張感で、まったく飽きることなく最後まで見入ってしまった。YOUや夏川結衣、そして子供たちのの演技も自然で素晴らしい。これは是枝監督の本領発揮だ。きわめて秀逸なホームドラマである。

最後に、本作で頑固親父を演じきった原田芳雄に、最大級の賛辞を送りたい。外では「先生」と呼ばれ世間話もうまいのに、家の中では居所がない。家を出て行った次男ともぎくしゃくした会話しかできない。その雰囲気は完璧だ。昔の浮気がばれていたことを樹木樹林からさらっと言われ、風呂場であたふたする顔も見事だった。

ワイルドでアウトローなイメージが強いけど、こういう役でも彼ならではの味わいでしっかりとこなしてしまう。まさに天性の俳優。彼がもうこの世にいないことがこの上なく悲しいし、もう彼の新しい演技を観られないことがこの上なく悔しい。不世出の役者が天に召された。ご冥福をお祈りします。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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