ベストセラー

出せば売れるを繰り返すベストセラー作家のペク。TV番組で華々しくインタビューを受けていたと思ったら、あっという間に盗作疑惑の渦に飲み込まれて、身も心もボロボロに。そして2年後…。観客を一気に物語に引きずり込む、展開の速い導入部は圧巻だ。運転する本人も後部座席の娘も目はうつろ。
人の目から逃れるようにして、親子が到着した田舎の村。盗作疑惑なんか関係ないミーハーな村人に歓迎され、湖の辺の古屋敷に住み始める。娘が見えない「お姉さん」と交信を始め、やっと映画の方向性が見えてきた。そうか、これはスピリチュアルなホラーなんだ。
語りかけてくるのは昔この屋敷で殺された女性で、自分の死体を見つけてほしいか、死の真相を伝えたいかしたくて、霊感が強い娘に訴えかけてきたんでしょう。雰囲気は嫌いじゃないので面白く観られそうだが、この手の話はよくあるぞ。
その後母親は、娘に導かれるように入った2階の怪しい部屋で、様々なものを見る。そしてとりつかれたように書き始める。ソウルに戻って出版すればまたもやベストセラー。ブランクからの復帰を果たし、娘との平穏な日々を取り戻す。よかったよかった。
この辺で45分ぐらい。これから何かあるんだろうと思っていたら、またもや起こる盗作疑惑。ジェットコースターのように、天国と地獄を行ったり来たりするペクに同情してしまう。でも今回の本は盗作のわけがないので、何か裏があるはず。それは何かなぁ…と考えていたら、ここで本作最大のサプライズに突然吹き飛ばされた。
思わず「えーっ!」って言っちゃったよ。これって、ただのホラーじゃなかったの? ネタバレ全開をうたう「正直れびゅ」でも書くのをはばかられる、超ド級の前言撤回だ。書かなくても忘れないと思うので、あえてネタバレはしません。
精神錯乱状態のペクは病院送りに。そりゃそうだ、実際頭おかしくなってたんだもの。それでも自分の無実を証明すべく、ペクはあの忌まわしい村に再度乗り込んでいく。
クライマックスは、女性を殺した犯人たちとの延々と続く死闘だ。4人いるはずの犯人が最初3人しかいなくて、あと一人はどうしたんだろうと思っていたが、まさかあいつとはね。ボーっとしてるし、ペクの身を案じてたし、安全パイに見えたんだけど、見事にミスディレクションされました。
湖の観光開発に反対していた元署長にも何かあると思っていたけど、いやはやこいつもたがの外れた親父でした。あの親にしてあの息子である。湖に捨てられたペクが水底から放った銃弾、うまいことヒットしたね。あれはお見事でした。
ホラーで始まり、ミステリーに続き、サスペンス・スリラーで終わる。先の読めない展開とは、まさにこのこと。2時間ぎっしり中身の詰まった本格的な面白映画だった。監督はこれが長編第1作となるイ・ジョンホ。自分で脚本も書いた才人だ。これからの活躍が楽しみな映画人がまたひとり増えた。
ペクを演じたオム・ジョンファも素晴らしい。盗作作家と言われ、精神に異常をきたし、書けない焦りにとらわれ、真相究明にとりつかれ、恐ろしい外道どもに襲われ、死の恐怖と闘う。常にストレスを感じる役だったに違いない。そんな彼女が最後に見せる微笑に、観てるこっちも胸をなでおろした。演技力のあるいい女優だ。
そのとおりと思ったら、ポチッ!
人の目から逃れるようにして、親子が到着した田舎の村。盗作疑惑なんか関係ないミーハーな村人に歓迎され、湖の辺の古屋敷に住み始める。娘が見えない「お姉さん」と交信を始め、やっと映画の方向性が見えてきた。そうか、これはスピリチュアルなホラーなんだ。
語りかけてくるのは昔この屋敷で殺された女性で、自分の死体を見つけてほしいか、死の真相を伝えたいかしたくて、霊感が強い娘に訴えかけてきたんでしょう。雰囲気は嫌いじゃないので面白く観られそうだが、この手の話はよくあるぞ。
その後母親は、娘に導かれるように入った2階の怪しい部屋で、様々なものを見る。そしてとりつかれたように書き始める。ソウルに戻って出版すればまたもやベストセラー。ブランクからの復帰を果たし、娘との平穏な日々を取り戻す。よかったよかった。
この辺で45分ぐらい。これから何かあるんだろうと思っていたら、またもや起こる盗作疑惑。ジェットコースターのように、天国と地獄を行ったり来たりするペクに同情してしまう。でも今回の本は盗作のわけがないので、何か裏があるはず。それは何かなぁ…と考えていたら、ここで本作最大のサプライズに突然吹き飛ばされた。
思わず「えーっ!」って言っちゃったよ。これって、ただのホラーじゃなかったの? ネタバレ全開をうたう「正直れびゅ」でも書くのをはばかられる、超ド級の前言撤回だ。書かなくても忘れないと思うので、あえてネタバレはしません。
精神錯乱状態のペクは病院送りに。そりゃそうだ、実際頭おかしくなってたんだもの。それでも自分の無実を証明すべく、ペクはあの忌まわしい村に再度乗り込んでいく。
クライマックスは、女性を殺した犯人たちとの延々と続く死闘だ。4人いるはずの犯人が最初3人しかいなくて、あと一人はどうしたんだろうと思っていたが、まさかあいつとはね。ボーっとしてるし、ペクの身を案じてたし、安全パイに見えたんだけど、見事にミスディレクションされました。
湖の観光開発に反対していた元署長にも何かあると思っていたけど、いやはやこいつもたがの外れた親父でした。あの親にしてあの息子である。湖に捨てられたペクが水底から放った銃弾、うまいことヒットしたね。あれはお見事でした。
ホラーで始まり、ミステリーに続き、サスペンス・スリラーで終わる。先の読めない展開とは、まさにこのこと。2時間ぎっしり中身の詰まった本格的な面白映画だった。監督はこれが長編第1作となるイ・ジョンホ。自分で脚本も書いた才人だ。これからの活躍が楽しみな映画人がまたひとり増えた。
ペクを演じたオム・ジョンファも素晴らしい。盗作作家と言われ、精神に異常をきたし、書けない焦りにとらわれ、真相究明にとりつかれ、恐ろしい外道どもに襲われ、死の恐怖と闘う。常にストレスを感じる役だったに違いない。そんな彼女が最後に見せる微笑に、観てるこっちも胸をなでおろした。演技力のあるいい女優だ。
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