ボーダー

この二人が出演したマイケル・マン監督の「ヒート」も売りが同じだったが、実際の現場で二人は顔を合わせていない。唯一向き合うテーブルの場面でも、別撮りしたものを編集でつないだだけだ。それでも「ヒート」は相当話題になった。
本当に二人がひとつのショットに収まるとなれば、こりゃ映画界における大事件だ。あれから15年、いよいよそんな夢が実現する!
…と普通なら盛り上がってもいいところだが、劇場公開時にはさほど話題にならなかった。考えられる理由はただひとつ。二人が昔ほど活躍していないから。もうピークは過ぎたようなイメージがついてしまった。
二人が一線を走っていたのは大体10年くらい前まで。二人とも、21世紀になってからノミネートされた賞はラジー賞だけだ。どっちも大好きな役者ゆえに、ここ最近の停滞は寂しい限りだ。
本作も公開時は「男たちのヒート祭り」なんていうB級色物イベントの中の一作で、もちろん田舎のシネコンではかからなかった。アカデミー賞の常連だった名優が、まさかこんな扱いを受けるとは。
ちょっとブルーな気分をかみしめながら鑑賞スタート。しかし観終ってみると、「こんな扱いも仕方ないか」と納得させられる出来だった。ますますブルーだ。
いくら落ち目とはいえ、二人が画面に出てくればそれなりの迫力はある。なのに話の筋がこじんまりしすぎて、それに二人が収まっちゃってるのだ。これを役不足と言わずして何という?
デ・ニーロ演じる刑事は、連続殺人を告白する映像が途中何度も挿入されて、常に怪しくて疑わしい。一方パチーノ演じる刑事は、どこまでもデ・ニーロを信じ、かばい、守ろうとする頼れる相棒だ。
もうこの時点でネタが割れてしまっている。怪しげなデ・ニーロが怪しいまま終わるはずがないし、クリーンなだけのパチーノが見せ場もないまま終わるわけもないのだ。案の定、必殺仕事人はパチーノで、デ・ニーロは無罪。これって本当にひねってる?
このストーリーを映像化したいなら、彼らをキャスティングしちゃダメでしょうに。いくらショボくなったとはいえ、70年代から映画界を支えてきた巨星だよ。腐っても鯛って言葉知らないの? 知らないか、外人は。
脚本家は「インサイド・マン」も書いた人みたいだが、あれも劇中に人質尋問シーンを何度も入れてミスディレクションを図っていたっけ。今回も同じ手だね。他にアイディアないのかしらん。
二人がひとつの会議机に座ってパソコン画面を見る姿が、この映画を端的に表している。どうしてこんな風に同じ方を向かせるかな。それぞれの個性を際立たせたいなら、真っ向から対立させなきゃ。そういう意味で「ヒート」は正しかった。こっちは根本的に間違ってますよ。二人もよくこんなオファー受けたね。こんな映画に出ること自体、彼らの没落を表しているようだ。
二人がイマイチな分、女性陣は粒ぞろいだった。デ・ニーロの恋人役に、「スパイキッズ」で奥さんスパイを演じたカーラ・グギーノが出演。彼女、なんとなくセクシーで引き込まれます。
そしてもう一人。ヤクの購入をネタに囮捜査に使われる女弁護士ジェシカ。演じたのはトリルビー・グローヴァーという女優だが、この人がまあとにかく美人すぎ。演技力は今一歩で出演作も少ないようだが、能天気な役柄ならうまくこなせそうだ。好みかと聞かれれば、完全に好みです、はい。
そのとおりと思ったら、ポチッ!
本当に二人がひとつのショットに収まるとなれば、こりゃ映画界における大事件だ。あれから15年、いよいよそんな夢が実現する!
…と普通なら盛り上がってもいいところだが、劇場公開時にはさほど話題にならなかった。考えられる理由はただひとつ。二人が昔ほど活躍していないから。もうピークは過ぎたようなイメージがついてしまった。
二人が一線を走っていたのは大体10年くらい前まで。二人とも、21世紀になってからノミネートされた賞はラジー賞だけだ。どっちも大好きな役者ゆえに、ここ最近の停滞は寂しい限りだ。
本作も公開時は「男たちのヒート祭り」なんていうB級色物イベントの中の一作で、もちろん田舎のシネコンではかからなかった。アカデミー賞の常連だった名優が、まさかこんな扱いを受けるとは。
ちょっとブルーな気分をかみしめながら鑑賞スタート。しかし観終ってみると、「こんな扱いも仕方ないか」と納得させられる出来だった。ますますブルーだ。
いくら落ち目とはいえ、二人が画面に出てくればそれなりの迫力はある。なのに話の筋がこじんまりしすぎて、それに二人が収まっちゃってるのだ。これを役不足と言わずして何という?
デ・ニーロ演じる刑事は、連続殺人を告白する映像が途中何度も挿入されて、常に怪しくて疑わしい。一方パチーノ演じる刑事は、どこまでもデ・ニーロを信じ、かばい、守ろうとする頼れる相棒だ。
もうこの時点でネタが割れてしまっている。怪しげなデ・ニーロが怪しいまま終わるはずがないし、クリーンなだけのパチーノが見せ場もないまま終わるわけもないのだ。案の定、必殺仕事人はパチーノで、デ・ニーロは無罪。これって本当にひねってる?
このストーリーを映像化したいなら、彼らをキャスティングしちゃダメでしょうに。いくらショボくなったとはいえ、70年代から映画界を支えてきた巨星だよ。腐っても鯛って言葉知らないの? 知らないか、外人は。
脚本家は「インサイド・マン」も書いた人みたいだが、あれも劇中に人質尋問シーンを何度も入れてミスディレクションを図っていたっけ。今回も同じ手だね。他にアイディアないのかしらん。
二人がひとつの会議机に座ってパソコン画面を見る姿が、この映画を端的に表している。どうしてこんな風に同じ方を向かせるかな。それぞれの個性を際立たせたいなら、真っ向から対立させなきゃ。そういう意味で「ヒート」は正しかった。こっちは根本的に間違ってますよ。二人もよくこんなオファー受けたね。こんな映画に出ること自体、彼らの没落を表しているようだ。
二人がイマイチな分、女性陣は粒ぞろいだった。デ・ニーロの恋人役に、「スパイキッズ」で奥さんスパイを演じたカーラ・グギーノが出演。彼女、なんとなくセクシーで引き込まれます。
そしてもう一人。ヤクの購入をネタに囮捜査に使われる女弁護士ジェシカ。演じたのはトリルビー・グローヴァーという女優だが、この人がまあとにかく美人すぎ。演技力は今一歩で出演作も少ないようだが、能天気な役柄ならうまくこなせそうだ。好みかと聞かれれば、完全に好みです、はい。
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52点
2008年のアメリカ映画で、
監督は「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」のジョン・アヴネット、
主演はロバート・デ・ニーロとアル・パチーノ。
「ヒート」以来の二大スターの共演だ...