昨年９月公開の韓国製パニック大作。レンタルＤＶＤで借りてきた。

この映画をロードショーで観ていたなら、まだ面白く観れたかもしれない。コメディ色の強いグダグダな前置きも許せたかもしれない。本題と関係ないエピソードの多さも我慢できたかもしれない。大津波の真っ最中でも笑いを取ろうとする姿勢もスルーできたかもしれない。

でも、今は全部無理だ。あの現実を前に、このテーマの映画を受け入れるのは難しい。ましてや、冗談半分で描くなんぞもってのほかだ。作り手に悪気はなくても、今の状況がそれを認めないのだ。

見せ場となるクライマックスも頑張って作ったとは思うが、３月１１日の大惨事をリアルタイムで目撃してしまったあとでは、所詮作り物にしか見えない。映画では高層ビルと同じぐらいの高さで描かれていたけど、実際は数メートルの波が、想像を絶する威力で襲ってくるのだ。ビル級の波なら、あんな風に逃げることは不可能でしょ。

地震レーダーの地図もひどかったな。朝鮮半島の近くにあった島々、あれはどこの国だ？　自分たちの海岸線はきっちりしてるくせに、隣国があれってどういうこと？　バカにしてんの？

大体、津波の原因が対馬沈没というのもひどい。勝手に人の国を破壊するなよ。領土問題に関して日本と韓国は敵対してんのに、それを平気で娯楽にしてしまう無神経さ。やっぱりこの映画、去年観ていたとしても腹が立ったに違いない。

大勢出てきた登場人物についてコメントする気力も残ってない。どいつもこいつも変人ばかりで、愛すべきキャラは皆無。そんな連中のどうでもいい話を延々と見せられて、途中何の映画を観てるのか本当に自問自答したわ。

こんな映画を興味本位で借りてきた自分を反省しきりだ。これこそ貸し出し自粛した方がいいんでないの？

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