スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ボーイズ・オン・ザ・ラン

公開時にも劇場で観たのだが、もう1回観たくてDVD借りてきた。これは、昨年のベストを争う映画だ。
観ている間は一瞬たりとも心休まるヒマがなく、嬉しかったり苦しかったり悔やんだりむかついたりたまらなかったりせつなかったりするのだが、観終わってレビューを書こうとすると、どうも考えがうまくまとまらない。言葉で表しづらい映画、それが「ボーイズ・オン・ザ・ラン」だ。

とにかく田西に感情移入しまくりの2時間。時に「わかるわかる」と共感し、時に「何でそんなこと言っちゃうの?」とガックリする。不器用でブサイクで性欲旺盛、女にモテる要素ゼロの田西に、自分の青春時代をオーバーラップしてしまう。

大体、本作のヒロインちはるは、田西がそこまで自分を犠牲にするほど価値のある女ではない。田西のよさがわからず、青山のようなクソチャラ男にヤラれてしまい、遊ばれて捨てられても青山を悪いと思わず、逆に田西を罵倒する。青山だけでなく別の男にも勢いでヤラせてるくせに、中絶に付き添ってやった田西は毛嫌いする。そして、そうなった原因を全部田西のせいにする。

こんなクサレ女なのに、田西はちはるに固執する。そして、その気持ちがすごくわかるのよ。「あとちょっとのところで逃した魚は超デカい」からだ。

あんな近距離で絆創膏貼られたら、ちょっと古いが「惚れてまうやろー」と思っちゃう。AVを貸す約束も秘め事みたいでドキドキするし、(深い意味はないとは言え)飲んだ席で太ももに手を置かれたら舞い上がって当然だ。

せっかくホテルに入ったのに、ちはるが泣き出して行為は中止。でもあれだって本当はOKだったはず。朝帰りの道で「帰りますよね」を連発されて、本当に帰るバカがいるか?! 寝込んでる彼女を見舞って、「まだいて」と言われたら熱が下がるまでいてやれよ! 田西の行動はもどかしくてはがゆくて、なんとも勿体ない。

「田西さんのこと好きになっちゃった」という言葉を聞いた直後の完全拒絶。この辛さは、ただ嫌われるのとは全然比べ物にならない。天国から地獄へフリーフォールだ。その後の、同僚の結婚式での謝罪スピーチも逆効果。「あそこでこうしていたら…」が多すぎて、どうしても彼女をあきらめきれない。その気持ちが痛いほどわかるので、この映画にのめりこんでしまうのだ。

彼女を愛するがゆえに、怒りの矛先は青山へ向かう。しかし、必死でボクシングを覚えて、髪型まで変えて乗り込んだのに、結局一発も当てられずボコボコに。しかもなんとちはるの裏切りつきで。こんなに胸をかきむしりたくなる映画も珍しい。モヤモヤも通り越して、悔しさがドロドロ汚泥のように溜まっていく。

そんないいとこなしの田西が、田舎へ帰るちはるに会いに駅のホームへ駆けつけるラスト。ここでもちはるはガッカリさせてくれる。青山の体を心配してみたり、田西にも口でしてあげようとしたり。

最後の最後、田西はちはるに男を見せる。ちはるの浅はかさに腹を立て、そうなってしまった責任の一端を自分に感じ、もう一歩で手に入れられなかったちはるとの人生を惜しみながら、ちはるを電車の開いたドアに突き飛ばすのだ。よくぞやってくれた、田西。お前は最高にカッコ悪くて、最高にカッコいいよ。

田西に銀杏BOYZの峯田和伸をキャスティングした人には、最大限の賛辞を送りたい。あれ以上の田西はいないでしょ。自分のイメージを気にする役者なら絶対にできない役どころだ。峯田さん偉いです。完璧です。最高です。

ちはる役の黒川芽以もすごい。あんなひどい女なのに、忘れたくても忘れられない。「グミチョコ」でも手が届きそうで届かないクラスメートを演じていたが、ちはるはあの役の延長線上にある。無意識の小悪魔って、一番やっかいなのかも。

田西とちはるの仲違いの張本人、年齢大幅詐称のソープ嬢しほを、YOUがYOUらしさ全快で好演。田西の男気をわかってあげる姉御だ。青山の伝言を伝えに来たバカ女に食ってかかる場面、カッコよかったよ。

松田龍平の青山は、本当に頭に来た。まさに「男の敵」。いいところ一つもない役に、独特の雰囲気で完全になりきってました。さすがです。

田西のケンカを応援する斎田産業の面々も、気が抜けてていい人たちばかり。リリー・フランキーは、普段は何もしないお飾り社長だが、ここというところはしっかり押さえている。「田西はクビにはしませんから」と優しく啖呵を切る場面、感動すら覚えました。

そして、小林薫だ。仕事中なのにいつも缶ビール片手にフラフラしてる。やってることは花の水遣りぐらい。「なんでクビにならないんすか」と言われても、「さあ」と言ってヘラヘラ。そんな彼が田西に教えるのは、魂のボクシングだ。練習の最中に見せる気迫と、「いいションベンでした」と田西の健闘を称える優しさ。名優の面目躍如だ。

泣きながら走る田西にかぶさる主題歌「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。峯田のシャウトが田西の心の叫びとなって、観ているこっちを圧倒する。感情が揺さぶられすぎて、今観ているのがただの映画とは思えなくなってくる。映画を超えた映画。それが「ボーイズ・オン・ザ・ラン」だ。

そのとおりと思ったら、ポチッ!

Comment

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

http://creview.blog67.fc2.com/tb.php/914-29113918

«  | HOME |  »

タイトル一覧/記事検索


最新記事


記事ランキング

アクセス解析


最新トラックバック


最新コメント


カテゴリ


プロフィール

Tao

Author:Tao
性別:♂
子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


リンク



【BDもDVDもBOXで!】


【あの映画をお手元に!】





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。