サム・ライムのプロデュースによる、グラフィックノベルが原作のヴァンパイア・ホラー。ＤＶＤ借りてきた。

白夜が背景になっている映画はいくつか観たが、真逆の極夜なんて初めて聞いた。「きょくや」と打っても変換してくれないし。でも、南極や北極では白夜と同じくらい長く続く自然現象らしい。

舞台はアメリカ最北端の町、アラスカ州バロー。なんと道路も鉄道もなく、市外に出るには空港しかないという。極夜になればその飛行機も運休してしまうらしい。

そんな文字通りの「陸の孤島」を、ヴァンパイア集団が襲撃する。捕食してそのままにしておくと仲間が増えてしまうから、血を吸ったあとは首をはねるという残虐非道ぶり。ボスはなかなか頭が切れるようで、うるさい犬をまず殺したり、電源や電話線を切ったり、人間の囮を使って隠れている人間をおびき出そうとしたりする。冒頭の携帯燃やしもヤツらの仕業なのかね。

そんな化け物どもに狙われたら、無防備な町民などはひとたまりもない。映画開始４０分ほどで、大半の人々は抵抗むなしく殺されてしまう。俯瞰で撮り下ろした殺戮シーンは、背筋も凍るおぞましさだった。

そんな中でわずかに生き残った住民を守るのが、我らがジョッシュ・ハートネット演じるエバン保安官だ。時に身を挺してヴァンパイアの注意を引きつけたりしながら、人々の安全を確保する。奥さんのステラと何があったか知らないが、こんな頼れる男、そうそういないよ。

クライマックスはエバン自らヴァンパイアと化して、敵ボスとの決戦に挑む。愛する妻を守るために自分を犠牲にするなんて、いくらなんでもやり過ぎじゃないかと思ったけど。カップルで観に行ったら、「アンタだったらどうする？」って聞かれそうで怖い。世の女性の皆さん、映画と現実をごっちゃにしないでね。

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