ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵No.1と呼ばれた男 Part1 ノワール編

フランスのパブリック・エネミーナンバー1を描いたフィルム・ノワール大作の前編。後編と合わせると4時間を越えるため、手を出すのを躊躇していた。意を決して借りてきたDVDで鑑賞。
前編の原題は「根っからの殺し屋」。ジャック・メスリーヌが犯罪に手を染め、階段を走って上るようにどんどん悪いヤツになっていくさまが主題だ。

アルジェリア戦争から帰国し除隊後、悪友のポールに誘われて空き巣に入り、親分のギドと仲良くなり、娼婦のヒモを生き埋めにし、銀行強盗で失敗して刑務所へ。出所後、一度は愛する妻子のために心を入れ替えたが、勤め先をクビになり、奥さんの反対を押し切ってバック・トゥ悪の道。

新相棒ジャンヌと手を組んだ強盗事件によって命を狙われるようになり、ほとぼりを冷ますため二人でモントリオールへ逃げる。富豪の運転手に収まって静かにしていたが、機嫌を損ねて解雇され、逆切れして富豪を誘拐。しかし金は得られず、富豪には逃げられ、二人はアメリカまで逃亡の末逮捕される。

カナダに強制送還されたジャックを待っていたのは、USC(特別懲罰刑務所)独房での虐待の日々。やっと部屋を出たジャックは即座に脱獄を決意する。カナダでの相棒メルシェと共に見事脱獄を果たすと、銀行強盗で資金を集めて武装し、USCに戻って看守たちを襲撃する。最後はジャックに関わった人たちのその後がテロップで流され、前編終了。

以上がジャックの犯罪歴だ。これだけ並べるとまさしく「根っからの殺し屋」だが、ときどき人間的な顔を見せるので、単なる悪党と切り捨てることができないのよね。愛する奥さんには口に銃口突っ込んだりして最悪だけど、子供に対してはメロメロな父親だし、仲間への義理人情を大切にする筋の通ったところもある。

まあ悪いヤツには変わりないので全面的な支持はできないけれども、周囲を魅了するカリスマ性は間違いなく持っている。ワルに惹かれる女性は多いっていうから、あんな風にモテるんでしょう。この映画、男性よりも女性の方が楽しめるかもしれないね。

稀代の犯罪者になりきったヴァンサン・カッセル。顔がもともと悪人っぽいので、こういう役は得意のはず。ただ40過ぎて20代を演じるのは、ちょっと無理があったかな。もう少し特殊メイクかCGで若返らせてあげればよかったのに。

ジャックの妻ソフィア役のエレナ・アナヤ。すごくいい女優さんだね。かわいいだけじゃなく意志の強さも感じられて。あれで30過ぎてたとは思えません。ああいうのタイプだわー。

本作は、ジャックが若い女と車に乗って、何者かの集団に撃ち殺される直前までの映像でスタートする。あれが後編のクライマックスなのかしらん。これから続けて観ることにしよう。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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