ザ・ファイター

昨日の「ブラック・スワン」に続いて、アカデミー授賞の演技を観たくて劇場へ。イオンシネマのタダ券で鑑賞。
実話を基にしたボクシング映画には秀作が多いが、本作に関してはほとんど情報を入れてなくて、実はあまり期待していたわけではない。クリスチャン・ベールぐらいしか興味はなかった。

しかし冒頭のクレジットで監督がデヴィッド・O・ラッセルと知り、俄然期待度が上がった。彼が10年前に作った「スリー・キングス」は、あの年のマイベスト1を競う名作だからだ。

というわけで、わくわくしながら観始めた本作。しかし前半は、ヤク中のいい加減な兄貴と仕切り屋の母親、何の役にも立たない姉妹たちの言動に、テンションが下がるばかり。環境の悪さに同情しきりだ。優柔不断なミッキー本人にも問題がないわけではないが。

ところが、真っ当な仲間に支えられたミッキーが栄光の階段を上りだすあたりから、ボクシング映画らしくなる。そしてムショ帰りの兄貴が改心し、それまで反目していた人々がまとまるくだりから、この映画のボルテージは急激に上がっていく。そのままなだれ込む世界タイトル戦は、圧巻の一言だ。

弟に夢を託したディッキーが、劣勢のミッキーを熱く叱咤する。その思いを受けて渾身のパンチを繰り出すミッキー。それが見事に決まって相手を沈めた瞬間、思わず泣いてしまったもんね。こんなに感動しちゃうとは思ってなかった。

この映画はただの熱血スポ根ムービーではない。クライマックスこそボクシング映画らしい見せ場の連続だが、そこにいたるまでの人間ドラマが濃厚で、スポーツ映画の枠を軽く超えてしまっているのだ。

バラバラだった家族や恋人や仲間たちが、勝利の歓喜の中で抱き合い、讃え合い、キスをする。これに涙しないわけにはいかないわ。まさに奇跡だ。ラッセル監督らしいマジックを見せてもらった。大満足。

出演陣については、あえて書く必要もないだろう。賞を獲った人もそうでない人も、みんなみんな素晴らしかった。母親アリスに散々毒づかれる警官オキーフって、本人だったのね。エンドクレジットで気づいてびっくりした。あと、シュガー・レイ・レナードも本人みたいね(これはあとで調べてわかった)。

本当は続けて「英国王のスピーチ」を観る予定だったけど、やめた。しばらく余韻に浸りたくてそのまま帰宅しました。新たなボクシング映画の名作誕生を祝いたい気分だ。

<おまけ>
先日亡くなった児玉清さんのコメントが、チラシに掲載されていた。

「ここまで事実に肉迫し、しかも事実よりもさらに色濃く深いリアリティを見る者にもたらす。まさに、これぞ映画の真骨頂だ。僕は感動し震え、心をもみくちゃにされた。凄い!!」

この映画を観られてよかったですね、児玉さん。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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