7つの贈り物

ウィル・スミスの主演作は大体劇場で観ているのに、これはなぜかスルーしてしまった。BD借りてきて鑑賞。
自殺予告の電話をかけるわ、盲目のコールセンター職員に難癖つけるわ、開巻早々???の嵐。この主人公は何を考えているかわからない。奥さんがすでに亡くなっていることや、それが7人死亡の大事故に関係していることが徐々にわかってくるものの、それ以外の行動は謎に包まれたままだ。

瀟洒なビーチハウスを離れモーテル暮しを始め、ハブクラゲを飼いだす。国税庁の職員という肩書きをフルに使って、他人の生活に干渉する。何となくいいことをしようとしていることはわかるが、「何をしたいのか」とその理由がなかなか明らかにならない。

目的が献体だとわかったのは、病院で主治医にエミリーの助かる確率を尋ね、親友ダンに決行を伝えた時だ。「ダンが行くから信頼しろ」とエズラに電話した時だ。気づくの遅いとは思うが、主人公の行動や台詞など、全編に散りばめられた謎が一気に解ける展開に、ただ驚くばかりだ。

自分の不注意で、妻と赤の他人7名の命を奪う事故を起こしたティム。弟への肺葉移植をきっかけに、自分のすべてを誰かの救済に役立てようと考える。ホリーに肝臓を、ホッケーの監督に腎臓を、白血病の少年に骨髄を、DV被害の家族にビーチハウスを提供。最後は自分の命を絶って、角膜をエズラに、そして心臓をエミリーに。

まさかそのエミリーと愛し合うことになろうとは思わなかっただろう。死ぬことを決めているのに、この展開は苦しい。しかし、エミリーが死んでしまったらそれも終わり。だから彼は、エミリーを抱いたあの夜、最後の決断をしたのだ。

視力を取り戻してピアノを弾くエズラを、エミリーが訪ねる。エミリーが見つめるエズラの眼は、彼女が愛した男の瞳だ。その視線の意味にエズラが気づき、優しく抱き合うラスト。参った。参りました。

BD特典を見ると、脚本を書いたグラント・ニーポートは本作が映画デビューらしい。実際に7人が死ぬ事故を起こして、後悔の人生を送る男性のことを知り、ヒントにしたという。

実際にここまでやったら、いくら加害者でもやり過ぎで、現実味は感じられないだろう。そうは思われないように細心の注意を払い、最後まで観客を力強くリードする手腕は、まったく新人とは思えない。すごいのが現れたな。次も早く観たいもんだ。

役者ではやはりウィル・スミスがいい。いい人なのかさえもわからない、謎だらけの主人公を演じるのはなかなか大変だったはず。能天気なアクション大作とは違った、演技派な部分を見せてもらった。

エミリーを演じたロザリオ・ドーソンもよかった。「シン・シティ」や「デス・プルーフ」に印象が強くて、こんな余命わずかのすぐに折れそうな女性を演じられるとは思わなかった。でも、死の直前を一生懸命生きてる姿には、思わず応援したくなった。

感動的なストーリーでありながら、2008年の賞レースではあまりパッとしなかった。ウィル・スミスの主演作としても、本国で億台に届かなかったのは「アリ」以来だ。しかし、強烈な吸引力を持つ本作、オレは評価します。もう1回観たら、脚本の精密さにさらに舌を巻くんだろうな。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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