ヘアスプレー

ジョン・ウォーターズのオリジナルは未見。ましてやブロードウェイのミュージカルなんて言わずもがな。でも、予告編は楽しそうだし、本国では興収1億ドル突破している。結構面白いんじゃないのかな。ちょびっと期待して、レイトで観てきた。
オーディションで選ばれたという、主役のニッキー・ブロンスキー。いやー、最高にかわいいじゃないの。明るくて前向きで、いいことと悪いことの区別がしっかりしてる。リンクがアンバーじゃなくて彼女を選ぶのもわかるわ。中身が腐ってちゃ、いくら見栄え良くても比べもんにならん。

今まであの体型の子に惹かれることなんてなかったのに、完全にノックアウトされました。彼女をキャスティングできたことが、この映画を成功させた最大の要因だ。なかなか得がたい逸材だわ。これからも、デブカワ路線で突っ走ってほしいもんです。

彼女が出ているだけでも奇跡的だけど、この映画のいいのはそれだけじゃないから驚く。他のキャストもこれまた粒ぞろいなのだ。

筆頭は、ビリングトップのジョン・トラヴォルタ。オリジナルでの母親役は、あの怪優ディヴァインだから、このキャスティングも運命の分かれ道だったろう。普通の役者ではどうしたって見劣りしてしまう。でもまさかトラヴォルタを女装させるとはね。参りました。しかも、あんな怪役を楽しそうに演じてるじゃないの。

父親役のクリストファー・ウォーケンも最高だった。「ディア・ハンター」や「デッドゾーン」に心酔しているオレとしては、まさかこんなウォーケン御大が観られるなんて思ってませんでした。トラヴォルタと夫婦ダンスを披露する場面は、おかしいやら楽しいやらで、まさに至福の時間。この役、デ・ニーロには無理だろうな。本作でついに、ニックはマイケルを超えたよ。

トレイシーの親友、ペニーもよかった。最初はトレイシーの影に隠れた脇役だったけど、途中から人種を超えた恋に落ち、がんじがらめの家庭を飛び出して、完全にキャラ一人立ち。アマンダ・バインズ、初めて観たけど一気に注目株だ。

番組のホスト、コーニー・コリンズもカッコよかった。明るく爽やかで、ショーマンシップもずば抜けている。しかも、人種に偏見もなくバランス感覚バッチリ。自分の信念を貫くべく、クソプロデューサーにも堂々と意見をぶつける。彼に惚れた女性も多いことでしょう。ジェームズ・マーズデン、「X-メン」シリーズではしどころがなかったけど、ついに花開いたという感じだ。

そして、安定感抜群のクイーン・ラティファだ。彼女が出てくると、安心しきって観ていられる。堂々とした体躯、ソウルフルな歌声。言ってることもいちいち正しくて、まさに頼れるアメリカン・オカンだ。彼女には、こういうミュージカルにどんどん出てほしいもんです。

これら魅力的な出演者たちが、世の中の偏見勢力に押し潰されそうになり、それでも最後には、その情熱と機知ではね返して、自由と成功をつかみとる。クライマックスは彼ら一人一人に見せ場があって、最高にハッピーな気分になれた。ずっと笑いっぱなし。そして、うれしすぎて涙も出た。

観終わって思った。ここまでいい気分にさせてくれて、これは今まで観た中で最高のミュージカル映画だ。DVD出たら、間違いなく買いだね。何度となくリピートしたい一作だ。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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