キサラギ

やっぱり期待に違わぬ傑作だった。いや、期待以上の超傑作と言ってもいいぞ、これは。
昨今、ここまで練りこまれ作りこまれた脚本があっただろうか。これからの各種賞レースの脚本部門は、「キサラギ」が独占しちゃうんじゃない?その素晴らしさは、あの名作「ダイ・ハード」に匹敵するよ。アクションなしの密室劇という点で、その密度はあっちを上回ってるかもしれない。
巧みに張られた伏線が、息つくヒマがないほど次々と機能していく。観客が先読みしようと思っても、そんな余裕を与えてもくれないんだから。
そのすごさを忘れないためにも、怒涛のネタバレで、5人の男たちの108分の変遷を書き留めておく。観てない人は、絶対読まないでちょ!
<家元>
200通のファンレターをミキに送った、コレクション自慢の熱狂的ファン → 実は、警視庁総務課情報管理室のキャリア。ミキの自殺に関する捜査資料を全部チェックしていた
<オダ・ユージ>
ちょっと堅物なおじさん → 実は、ミキのマネージャー、通称デブッチャー。ミキの自殺に責任を感じ激ヤセし、調べるうちにストーカーによる殺人だと確信する → ヘアヌードの仕事を持ち込みミキを死に追いやったと責められる → しかし、ミキの死は事故で、写真集はやる気だったことを知り安堵する
<スネーク>
雑貨屋で働く、調子のいい若者 → 実は、雑貨屋はミキ御用達の店で、あの夜ミキの家にラッキーチャッピーグッズを届けていた。しかも勢いで告白までしていた。当時の髪型はモヒカン → ゴキブリ退治にミキが間違って撒いた油は、スネークが親切で詰めたもの
<安男>
福島で農業を営む、お菓子作りが趣味の男 → 実は、ミキの幼なじみでミキの憧れの人、やっくん → ゴキブリにはママレモンが効くとミキにアドバイスしていた → ミキの最期の留守電はマネージャー宛じゃなく、やっくんへのお礼のメッセージ
<いちご娘>
変態な雰囲気の無職オヤジ → 実は、ミキのストーカーで、あの夜もミキの部屋に侵入していた → ところが実は、ミキと幼少時に別れた父親で、本当にミキを見守っていた → ミキの部屋の押入れにファンレターがあったことや、写真集のタイトル(Show Me)を明かす
いやー、書きながらまた感心してしまった。よくここまで「実は・・・」を考えたもんだ。オレが気づいたのは、いちご娘がお父さんだってことぐらいだもの。それも種明かしの寸前だし。
他にも、生写真やカチューシャ、アロマキャンドルや地震など、細かすぎる伏線のオンパレード。そして、そのどれにも無理がない。自殺→他殺→事故の、どんでん返しに次ぐどんでん返しに、口もあんぐり開きっぱなし。完璧という言葉は、この映画のためにあるんじゃなかろうか。
それだけではない。これだけ緻密に話を練り上げてるだけでも驚愕なのに、さらにはジーンとする場面まで用意して、涙まで流させてくれるのだ。
一人だけミキと直接関係のない人間だったことに気づき、落ち込む家元。しかし、ミキが命を賭けても守ろうとしたものを知り、自分がミキにとって一番大切な存在だったことを、他の4人から教えられ立ち直る。これ以上にファン冥利、男冥利に尽きることがあるだろうか。ミキのファンでなくても、この気持ちはわかる。
「シムソンズ」も2月の時点で、去年の邦画トップを決めた映画だったが、この「キサラギ」も、1年を折り返す前に今年のNo.1が確定した。佐藤監督、相性いいんだわー。
脚本を書いた古沢良太もえらい! 次回作は「ALWAYS 三丁目の夕日」の続編だって言うし、今や日本を代表する脚本家と言っていい。次も期待してるぜ!
そのとおりと思ったら、ポチッ!
昨今、ここまで練りこまれ作りこまれた脚本があっただろうか。これからの各種賞レースの脚本部門は、「キサラギ」が独占しちゃうんじゃない?その素晴らしさは、あの名作「ダイ・ハード」に匹敵するよ。アクションなしの密室劇という点で、その密度はあっちを上回ってるかもしれない。
巧みに張られた伏線が、息つくヒマがないほど次々と機能していく。観客が先読みしようと思っても、そんな余裕を与えてもくれないんだから。
そのすごさを忘れないためにも、怒涛のネタバレで、5人の男たちの108分の変遷を書き留めておく。観てない人は、絶対読まないでちょ!
<家元>
200通のファンレターをミキに送った、コレクション自慢の熱狂的ファン → 実は、警視庁総務課情報管理室のキャリア。ミキの自殺に関する捜査資料を全部チェックしていた
<オダ・ユージ>
ちょっと堅物なおじさん → 実は、ミキのマネージャー、通称デブッチャー。ミキの自殺に責任を感じ激ヤセし、調べるうちにストーカーによる殺人だと確信する → ヘアヌードの仕事を持ち込みミキを死に追いやったと責められる → しかし、ミキの死は事故で、写真集はやる気だったことを知り安堵する
<スネーク>
雑貨屋で働く、調子のいい若者 → 実は、雑貨屋はミキ御用達の店で、あの夜ミキの家にラッキーチャッピーグッズを届けていた。しかも勢いで告白までしていた。当時の髪型はモヒカン → ゴキブリ退治にミキが間違って撒いた油は、スネークが親切で詰めたもの
<安男>
福島で農業を営む、お菓子作りが趣味の男 → 実は、ミキの幼なじみでミキの憧れの人、やっくん → ゴキブリにはママレモンが効くとミキにアドバイスしていた → ミキの最期の留守電はマネージャー宛じゃなく、やっくんへのお礼のメッセージ
<いちご娘>
変態な雰囲気の無職オヤジ → 実は、ミキのストーカーで、あの夜もミキの部屋に侵入していた → ところが実は、ミキと幼少時に別れた父親で、本当にミキを見守っていた → ミキの部屋の押入れにファンレターがあったことや、写真集のタイトル(Show Me)を明かす
いやー、書きながらまた感心してしまった。よくここまで「実は・・・」を考えたもんだ。オレが気づいたのは、いちご娘がお父さんだってことぐらいだもの。それも種明かしの寸前だし。
他にも、生写真やカチューシャ、アロマキャンドルや地震など、細かすぎる伏線のオンパレード。そして、そのどれにも無理がない。自殺→他殺→事故の、どんでん返しに次ぐどんでん返しに、口もあんぐり開きっぱなし。完璧という言葉は、この映画のためにあるんじゃなかろうか。
それだけではない。これだけ緻密に話を練り上げてるだけでも驚愕なのに、さらにはジーンとする場面まで用意して、涙まで流させてくれるのだ。
一人だけミキと直接関係のない人間だったことに気づき、落ち込む家元。しかし、ミキが命を賭けても守ろうとしたものを知り、自分がミキにとって一番大切な存在だったことを、他の4人から教えられ立ち直る。これ以上にファン冥利、男冥利に尽きることがあるだろうか。ミキのファンでなくても、この気持ちはわかる。
「シムソンズ」も2月の時点で、去年の邦画トップを決めた映画だったが、この「キサラギ」も、1年を折り返す前に今年のNo.1が確定した。佐藤監督、相性いいんだわー。
脚本を書いた古沢良太もえらい! 次回作は「ALWAYS 三丁目の夕日」の続編だって言うし、今や日本を代表する脚本家と言っていい。次も期待してるぜ!
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「キサラギ」:木場四丁目バス停付近の会話
{/hiyo_en2/}なんともファンタジックな光景ね。{/kaeru_en4/}こういう景色の中でほほえんでいる少女のイメージなんだよなあ、ミキッペって。{/hiyo_en2/}ミキッペって、まさか映画「キサラギ」の如月ミキ?{/kaeru_en4/}そう、そう、愛しのミキッペ。{/hiyo_en2/}あれって、
キサラギ 2007-38
「キサラギ」を観てきました~♪あるマンションの1室、家元(小栗旬)、安男(塚地武雄)、スネーク(小出恵介)オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、いちご娘(香川照之)たちが集まってくる。男たちは、1年前に謎の自殺をしたB級アイドル如月ミキのファンサイトの常
★ キサラギ ★
自殺したアイドルの1周忌に集まった5人の男が、彼女の死の真相について壮絶な推理バトルを展開する密室会話劇。売れないC級グラビアアイドル、如月ミキが自殺して1年。彼女のファンサイトの常連である5人の男が追悼会に集まる。家元(小栗旬)が企画し、パソコン上でのやり
キサラギ
キサラギ - goo 映画面白かった~♪笑って泣けて考えさせられて、最後には心がほっかほかになって・・・。久々の満点!!★★★★★ハテ、困った・・・この映画をどんなジャンルに分類しましょうか。めちゃくちゃコメディなんだけど、サスペンスでもあり、ヒューマンでもあ
キサラギ
宍戸錠は余計だったが...。
≪キサラギ≫(DVDレンタル@2008/01/16@028)
キサラギ
公式HP
詳細@yahoo映画
レンタル開始されたばかりのこの作品を早速レンタルして鑑賞
ホントは劇場で観ようとしてたんだけど、その日しかやってなかったのに
向かってる時に体調が悪くなり涙を飲んだこの作品
感想はすっごく面白か
『キサラギ』
イチゴ娘...HNもヒドイが、怪しい、いかにも怪しい。
怪しいおっさん、アブないおっさん、キモイおっさん、演じるのは、香川照之!
いや~、...