霧の旗

松本清張原作の名作サスペンス。かなり前に観た記憶があるが、昭和40年の本作だったか、52年の百恵ちゃんバージョンだったか定かでない。DVD借りてきた。
DVDのおまけの特報では、「新鋭 山田洋次」と紹介されていた。調べてみると、当時33歳。若いなー。今75歳だもんな。「男はつらいよ」第1作の4年前、6本目の監督作だ。

山田監督と言えば人情喜劇というイメージが強いが、先週観た「ゼロの焦点」の脚本も書いていた。結構、こういうの得意なのかもね。

貧乏ゆえに弁護士を雇えず、無実の兄を失う桐子。1年後、弁護を断った弁護士大塚に近づき、体を張って復讐を果たす。

この弁護士が、それほど悪いヤツじゃないのよね。断った後にゴルフ行ったりして、最初こそ確かにちょっと感じ悪い。でも、桐子からの便りを受け、自分なりに事件を調べてみるあたり、ちゃんと良心のある男なのだ。

だから、桐子の復讐は逆恨みでしかない。本当なら真犯人を突きとめて、兄の濡れ衣を晴らす方が重要でしょう。

こんな歪んだ情念に囚われてしまった桐子、普通なら共感なんかできないキャラだ。でも、モノクロの画面で凛とした光を放つ倍賞千恵子の美しさに、ついつい引き込まれてしまった。最愛の兄を失った桐子の、都会の騒音さえも耳に入らないほどの孤独感が、リアルに伝わってきたせいもある。

根っからの悪人が出てこない復讐劇は、観ていて本当に重苦しい。人生の勝ち組だった大塚が、身も世もなく土下座して、桐子に懇願する場面。大塚への「桐子の苦悩が少しでもわかったか?」という思いと、桐子への「もうそれくらいにしてやれよ」という思いが錯綜して、ずーんと沈んでしまった。

それでも復讐の手を緩めない桐子。清純そうに見える倍賞千恵子が、そこまでやるかというクライマックスに、ドヨ~ンも頂点。勧善懲悪な映画もいいが、現実の社会に起こりうるのは、こっちの方なのかもしれない。見応えのある社会派ドラマだった。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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