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ブロークン・フラワーズ

地元ではかからなかったので、公開時はスルーした。ジム・ジャームッシュが特別好きというわけじゃないけど、ビル・マーレイのとぼけた雰囲気は観てみたい。タダ券がもらえたので、札幌・蠍座で鑑賞。
この映画、カンヌではグランプリを獲る一方で、否定的な意見も結構あるらしい。それもわかる気がする。こんなにゆるゆるで結論のない映画に、煮え切らない気持ちになる人がいても、やむなしだろう。

でも、「昔つきあった女たちを訪ねる旅」って、男にとっては「絶対にやらないだろうけど、やってみたいこと」の一つなんじゃないのかな。男って、いつまでも過去を引きずる生き物だからね。想い出は美しいものだけが残るって言うし。

けど、実際会ってみれば、向こうだって年相応に老けてるわけで、がっかりする可能性の方が高い。もちろんそれはこっちだって同じこと。お互い様だ。

大体、女の方は昔の男なんてすっかり忘却の彼方へ流してしまってる。もし突然目の前に現れても、「何しに来たの」と門前払いをくらうのが関の山だ。

この映画は、そんな現実をいきなり見せるんじゃなく、少しずつ小出しにしていく。ジャームッシュの心遣い、憎いわー。

昔の女、一人目はシャロン・ストーン。誰かわかった瞬間に、満面の笑みを浮かべ、喜びの再会だ。そして数十年ぶりにベッドイン。これは男の夢だ。幻想と言ってもいい。こんなことはあり得ない。見ず知らずの男の前で、平気で裸をさらす娘が出てきたけど、この娘自体現実離れしている。

二人目はフランセス・コンロイ。それなりに幸せな結婚生活を送ってはいるものの、まだ自分のことは忘れていない人妻だ。昔の男とは気づいていない夫を交えた、ちょっと悪いことしてるようなディナー。彼が無邪気に見せるのは、昔自分が撮った彼女の写真だったりする。こういう甘酸っぱい感じ、これも男の夢だね。まあ、それ以上踏み込めない辺り、少し現実的にはなってきた。

三人目はジェシカ・ラング。この辺から、きつい現実が男を攻め始める。彼女は成功した女だから、昔の男は過去の遺物でしかない。少し想い出話をするくらいならいいけど、それ以上は迷惑だ。最後は花まで返される始末。女の人生に男の居場所はこれっぽっちも残されていない。実際のところ、こんなもんでしょう。

四人目はティルダ・スウィントン。どうやら女の方には美しい想い出なんてないケースだ。男は突然やってきて、かさぶたはがしただけ。けんもほろろにドアを閉められ、近所のバイカーに殴られて、すごすごと退散する。相当ひどい別れ方したんだろうな。女を傷つけていたことさえ、男はわかってない。能天気なもんだね、男って。

五人目はすでに死亡。これが究極の現実だろう。話すことも喧嘩することもできない。ただただ、哀切の涙を流すだけ。

結局、誰の子供なのかはわからずじまい。でも、どうでもいいのよ、そんなこと。昔の女に会うってことが、どういう結末を迎えるのかを教えてくれただけで十分だ。

この映画は、「元カレ」とか「元カノ」なんて言葉を普通に使って、別れた後でも平気で友達づきあいできる人には、きっと理解できないはず。まさにオレのような、ダメな大人のための映画だ。ビル・マーレイ、他人とは思えません。オレは全然もてなかったけど、それでもね。

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Comment

[597]

こんばんは♪
男目線で書かれた感想ですね~。

ジャームッシュ監督苦手でしたが、ピンクが散りばめられた映像と女優陣のおかげでお気に入りになりました☆

[598] >パフィンさん

いやー、男なんでねー(笑)。どうしてもそうなっちゃいます。
4人の女優のリアクションが見事に異なっていて、わかりやすい映画でした。ジャームッシュもたまにはいいですね。

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