13歳の夏に僕は生まれた

TVで紹介されていたのを観て、興味がわいた。スガイのレイトショーで鑑賞。
まず、タイトルが面白いね。13歳で生まれたんなら、13引いて、オレもまだ20代前半だ。なんかうれしいな。何の意味もないんだけど。

そんなおバカな連想とはまったく無縁の本作。主人公のサンドロは、13歳で社会の別の顔を知り、普通の13歳なら踏み込まない世界に、自ら身を投じていく。

裕福な親の庇護の下では、大した悩みもなく、何不自由なく暮らしてきたサンドロ。あの時海に落ちなければ、そのままのほほーんと大人になっていたはずだ。他の人と同じように。オレと同じように。

海での孤独な漂流、不法移民たちとの出会い、救出と帰還。激動の旅路の果てに、彼は幼かった自分の中の何かが、完全に変わってしまったことに気づく。

大して年も変わらないルーマニア人の兄妹、ラドゥとアリーナ。彼らは生きるために必要なことなら、何だってする。水を手に入れるために、アリーナは悪党に体を任せ、ラドゥは見て見ぬ振りをする。期せずしてそれを邪魔してしまったサンドロが、アリーナに責められる。「あなたの水ももらうはずだったのに」・・・。

13年の幸福な人生経験しかないサンドロには、まったく理解できない話。そりゃそうだ、オレだって衝撃を受けたもの。そんなハードな人生を生きる兄妹に、サンドロは感化される。

その後サンドロは家に戻り、愛する人たちに歓迎されて、有名になって、街を歩けば「あの子でしょ?」と訊かれる始末。一方、無名の兄妹は収容施設を逃亡し、行方不明に・・・。

この違いは一体何だ? 人生不公平だとは言うけれど、「仕方ないよね」と諦めるには、あまりに不公平すぎる。サンドロの頭に渦巻く疑問の嵐が、手に取るようにわかった。

やっとのことで見つけたアリーナは、スラム街でやはり娼婦として命をつないでいた。いくら手を差し伸べても、いつまでも心を開かないアリーナ。もどかしくて切なくて、胸が張り裂けそうになった。

それでも、一度断れられたパニーニを、アリーナが受け取って頬張るラストは、ほんの少しだけ希望の光が見えた気がして、深いため息が出た。2人の間の溝はまだまだ広くて深いけど、こうやって少しずつ少しずつ埋めていくしかないんだね。

子供たちの演技の素晴らしさは、特筆に値する。特にアリーナ役のエステル・ハザン、眼光の鋭さはあの年頃の女の子のものではない。彼女ににらまれたら、心の中全部見透かされてしまいそうだ。

サンドロの父親を演じたアレッシオ・ボーニも印象に残った。見た目はいかにも遊び好きなチョイワルイタリアンなのに、実は誠実で家族思い。旅先で浮気でもするかと思いきや、息子の部屋に戻ってくるあたり、好感度急上昇だ。この爽やかなギャップ、見習いたいもんです。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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