幸せのポートレート

とある人の、この夏イチオシを受けて、モーニングショーで観てきた。
サラ・ジェシカ・パーカーが演じるのは、ストーン家の長男エヴェレットのフィアンセ、メレディス。これが、「なんでこの女と結婚する気になったの?」とエヴェレットに問いただしたくなるほど、超個性的でびっくり。彼女を毛嫌いするエイミーに、「何もそこまで」と最初は思ったけど、そのうち同調してしまった。咳払いも癪にさわる始末。

極めつけは、あのゲイ差別発言だ。あれはひどすぎる。空気読まないにもほどがある。観てるこっちまでフリーズして、いたたまれなくなってしまった。

もうメレディスの名誉挽回はインポッシブルと思ったけど、あのプレゼントは確かに泣けた。あのポートレートは万人を感動させる威力がある。まさに逆転ホームラン。ただ、妹妊娠中の母の写真をデスクに飾っていたエヴェレットは、ちょっとどうかという気もしたが。

そのエヴェレットも、魅力があまり感じられない。ただのおとなしいいい人だ。そんな彼が、後半突然暴走して、かなり困惑させられた。いくら本当の愛に目覚めたからって、そんな簡単に許婚を捨てて(それもかなり冷淡に)、その妹にすぐに求婚するか? 結果よければって展開だけど、本来ならこいつは精神科医に診せた方がいい。

主役2人がキツいキャラで観客を振り回すのに対し、脇の方に光る人物が多かった。

一番のよかったのは、次男のベン。一見浮ついた自由人なんだけど、実は心が広くて、ユーモアがあって、誰からも愛されるナイスガイだ。最後はメレディスの受け皿として、その人格者ぶりを最大限に発揮。世のすべての女性が、「こんな風に私を受け止めてくれる素敵な男性はいないかしら」と思うに違いない。男としても、こんな風になりたいと思うもの。まあ、これくらい懐が広くないと、メレディスの相手はムリだけどね。

父親ケリーも、ベンに次ぐ儲け役。家族思いで威厳があって、しかも慈愛にあふれている。その上、自分が悪いと思えば、息子を侮辱したメレディスにだって素直に謝ろうとする。こんなに出来た男、なっかなかいないぜ。まさに理想の父親だ。

魅力的な男性陣に比べると、女性キャストはちょっと微妙。

まず、メレディスの妹ジュリー役のクレア・デーンズ。近年、ますます顔がごつくなってきてないか? ちょっと怖いぞ。ギリギリ美人だとは思うけど。性格はいい役だったけど、エヴェレットに惹かれた理由は不明。やっぱ男は、あれくらい強引じゃないといかんのかしらん。

エヴェレットの妹エイミー。かわいい顔して、言うことかなり辛らつなため、キャッチコピーは「意地悪エイミー」。「あなたに嫌われても気にしてないから!」「気にしてるように見えるけど」・・・こりゃエイミーの圧勝だ。ブラッドとよりを戻す後半は、いい娘になってしまって、ちょっと物足りなく感じたのはオレだけか?

母親シビルを演じたダイアン・キートンは、さすがの一言。いい年して悩んだり迷ったり怒ったりする姿が大人気なくて、なんかわかるのよね。人は年とったからって完璧にはなれんもんよ。人間的で温かくて、いい感じでした。

彼女の姿が見当たらないラスト。壁には例のポートレート。なんとも言葉にできない気持ちに、胸がつまった。なんだかんだあっても、笑えて泣けて、当たり前のところに落ち着いた。最後はみんな好きになれた。不思議なもんだね、家族の絆って。

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Comment

[591]

こんばんは~。
>本来ならこいつは精神科医に診せた方がいい
ここに共感です!!
エヴェレットとメレディス二人は仕事中毒で自分を見失っているという設定。母親が彼のことを「自分がわかっていない」という台詞がありました~。

[592] >パフィンさん

こんばんわです。
エヴェレットがなし崩し的にジュリーに指輪はめるところ、「こいつ何やってんだー」って観てました。本人も無意識ですよね、アレ。この場面のダーモット・マローニー、名演を超えて怪演だと思いましたよ(笑)。仕事中毒って怖いねー。

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