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ザ・フロント

先日観た「グッドナイト&グッドラック」に引き続き、ハリウッドの赤狩りをテーマにした映画を観た。
「グッドナイト&グッドラック」と違い、これは実話ではない(と思われる)。しかし、実話以上に胸に響いた。なぜならこれは、実際に赤狩りでブラックリストに載せられた映画人たちが集まって作った映画だからだ。

監督のマーティン・リット、脚本のウォルター・バーンスタイン、ヘッキーを演じたゼロ・モステル、そして、ハーシェル・ベルナルディ、ロイド・ガフ、ジョシュア・シェリーの面々。彼らは、実際に赤狩りの標的となった。

監督のフィルモグラフィを見ると、50年のTVシリーズのあとは、57年の「暴力波止場」まで仕事はない。ゼロ・モステルも、51年の映画を最後に仕事がなく、復活は59年のTVまでかかっている。ウォルター・バーンスタインも59年の「私はそんな女」が復帰作だ。

彼らはその間、仕事をしていないようだけど、他人の名前を借りて名作を残した人もいる。ダルトン・トランボのフィルモグラフィをIMDbで調べると、47年から58年の間に16本もの裏仕事がある。そのうち7本が名義借りだ。英語だと"front Ian McLellan Hunter"(ローマの休日)や、"front Robert Rich"(黒い牡牛)という表現になっている。本作のタイトルの「ザ・フロント」とは、訳あって名前を表に出せない人の代わりに、前面に出る人物のことだ。

実際には本当の脚本家が名前を貸す場合が多いようだけど、この映画で「ザ・フロント」となるのは、ウディ・アレン演じるダメダメ男、ハワード・プリンスだ。すぐにバレそうなもんだけど、出してくるシナリオは超一流だからTV局も手放せなくなっていく。こんな時代に当局からマークされていない脚本家は貴重だ。

根が口先だけのダメ男だから、前半は調子に乗ってやりたい放題。女性プロデューサーと懇ろになったり、複数のBL脚本家に好きなように指示を出したり。でも、そんな状態は長くは続かない。TVウーマンは戦うために仕事をやめるし、脚本家たちは仲間割れを起こす。かつての人気者ヘッキーが自殺するにいたって、ハワードの考え方も次第に変わっていく。

委員会での証言、どう出るのか注視していたが、まさかああ来るとは。何も話さず、委員会を罵倒して部屋を出て行くハワード。逮捕される彼に脚本家たちがかけよるラストに、胸が熱くなった。自分が信じる正義を貫いた男の行動に、喝采を贈りたくなった。

アレンが出演だけしてるのは、この前が67年の「カジノ・ロワイヤル」で、この後が87年の「ゴダールのリア王」だ。自分の映画製作に没頭していた時代に、この映画だけ出演を決めた重みを感じた。いつも飄々と名作を作っているように見える彼だからこそ、この役は彼以外に考えられない。「真実の瞬間」もよかったが、この映画も本当に素晴らしかった。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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