イゴールの約束

半寝状態でよく覚えていない昨日の「ある子供」再鑑賞にあたり、併映されていた本作を一緒に観た。札幌・蠍座、2本で1200円。安い。
「ある子供」に先立つこと9年前の、ダルデンヌ兄弟の長編3作目だ。96年のカンヌでも話題になり、賞も獲ったらしい。

主役のイゴールを演じるのは、「ある子供」で青年役だったジェレミー・レニエ。うーん、若い。まだまだ子供だ。でも、役柄だけ比較すれば、本作の方がずっとクールで大人びている。

それもそのはず、イゴールは違法な生業の父親から、多大なる影響を受けている。ていうか、忠実な僕、まるでコピーだ。父の命令に従うためなら、自動車工場の職を失うこともやむなし。2人が仲良くカラオケする場面は、息もぴったり。このシーン、リハーサルなしの一発勝負だったというから驚く。ザイザイザイザイ~♪が耳から離れません(笑)。

でも、死ぬ間際のアミドゥと交わしてしまった約束が、イゴールを少しずつ変えていく。約束を守ろうとすると、どうしても父親との間に溝ができてしまう。死んだアミドゥを埋めて隠したこと、やっかいになってきたアミドゥの妻アシタを男に襲わせたこと、アシタを騙して売ろうとしたこと。父のやってることが、人間として間違っていることに気づいていく。

どれもこれも、あの約束さえしなければ、イゴールは見過ごしていたかもしれない。あの約束をしてしまったからこそ、イゴールは悩み苦しみ、そして苦渋の決断をする。

アシタにすべてを告白することは、今まで盲目的に従ってきた父との完全な別離を意味する。父の庇護の下から飛び出して、一人で社会に出て行くことを意味する。それも、一つの約束のために。自分ではなく他人のために。そして、15歳にして芽生えた良心のために。

子供は遅かれ早かれ、父が思っていたより大きくないことに気づく。そして、少しずつ離れていくものだ。この映画は、それをギュッと凝縮して、たった90分で劇的に見せる。イゴールの選択が強く心に響くのは、男の子だった人間なら誰でも共感する姿がそこにあるから。なんとも痛くて、切ない映画だった。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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