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クラッシュ

「ミリオンダラー・ベイビー」を書いたポール・ハギスの初監督作品となれば、大人の味わいの深いドラマが期待できる。レイトで観てきた。
「ミリオンダラー・ベイビー」が3人の男女に焦点を絞っていたのに対し、本作は人も時間も入り乱れる群像劇。共感できる者できない者、いいヤツ悪いヤツ、幸せになる人間不幸になる人間。それぞれが避け難い衝突を繰り返し、ぶつかることによって人生の軌道が変わっていく。

もっとも強烈な印象を残すのが、マット・ディロン演じる差別主義者ライアン。白人以外はとことん嫌い。訴えられて当たり前の男なのに、公権力を楯にやりたい放題。本当に「死ねばいいのに」なヤツだ。

このゲス野郎にとんでもない事をされる女、クリスティン。一生癒えない心の傷を負わされ、怒りのぶつけどころがわからなくなり、さまよう。サンディー・ニュートンが、耐え難い屈辱に自分を見失う女を熱演している。

この二人が事故現場で再開する場面は、この映画のハイライトだ。この男に触れられるのは死んでもイヤ!本当に死にかけているにもかかわらず、クリスティンに救助を拒否されたライアンは、必死の説得で助け出した後、呆然としてその場にへたり込む。自分のしてきたことにやっと気づいたかな。この件で、彼の目が覚めたことを望む。

ライアンに対する弱腰ぶりをクリスティンになじられる夫、キャメロン。それまで正しいと思ってきた生き方が、根底から揺らぎだす。オレは白人に迎合しているだけなのか?観てるとホントにそうだったりするが。

キャメロンも妻と同様、自分を見失い不安定になる。そこに起こる事件。警官に撃ち殺されそうになってるのに、あの挑発的態度。相手がたまたまよかったから助かったけど、そうでなけりゃ死んでたね。

ライアンの行動に異常なものを感じ、キャメロンに同情の念を抱くハンセン。とても真っ当な警官なのに、運命のいたずらか、たまたま乗せた黒人のピーターを殺してしまう。この映画の中で、もっとも残酷な場面だった。ライアン・フィリップ、かわいそうだったなあ。

ハンセンに殺されたピーターの兄グラハムを、昨日観た「ホテル・ルワンダ」が素晴らしかったドン・チードルが演じていた。母親想いの男なのに、いつもなじられて愛情を受けることはできない。弟の死さえ自分のせいにされて、こいつもかわいそうな男だ。

ピーターを従えて、車泥棒で生計を立てるアンソニー。被害妄想の説教野郎で、いつも偉そうなのが鼻につく。こんなバカでも、キャメロンに助けられ、人生観がちょっと変わったらしい。ヤツの最後の行動は、自分の得しか考えてこなかった男にしては立派だ。ヤツは生まれ変われるかもしれないな。

まったく共感できないキャラが二人いた。一人はペルシャ人の雑貨店主ファハド。自分の英語力のなさを棚に上げて、なんでも他人のせいにするクソオヤジ。錠前屋のダニエルに逆恨みして、彼の愛娘を撃ってしまう。最悪の事態にならなかったのはまさに奇跡。こんな男は迷惑以外の何ものでもない。国に帰れ、アホ。

もう一人は、サンドラ・ブロック演じるジーン。「朝起きると腹が立ってるのよ」と気づいただけマシだが、こういうネガティブ思考の人っているよね。なんにでも文句を言い続ける人。こんなヤツがそばにいると、それだけで具合悪くなってくる。よくこんな女と結婚したな、ブレンダン・フレイザー。

この二人は完璧な反面教師だ。こうはなるまい。

「ミリオンダラー・ベイビー」で感じたほどの、物語の昇華は見られないが、初監督作としてはいい仕事をした。ポール・ハギス、次回作が楽しみな監督が、また一人誕生した。

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Comment

[421]

お邪魔します~♪
イイ映画だと思いました、連発される差別的な言動は、ちょっとひいてしまいましたが(汗)
ちょっと気になったのは、マット扮する黒人警官の行動。黒人差別の権化のような人間だと思ってたのですが、事故現場で命がけでクリスティンを救い出す・・・あの行動何故??
僕もジーンが一番嫌いだった・・・

[422]

>はっちさん
オレもそれはちょっと思いました。
思うにヤツは、仕事には熱心だったんじゃないでしょうかね。少なくとも手抜きしたり、怠けたりする場面はなかったですから。
ジーン・・・いくらお金があっても、あんなんじゃ幸せにはなれませんね。

[546] TB有難う御座いました♪

ワタクシの言いたかった事を代弁して下さって有難う御座いましたw
何か、「○○は死ななきゃ治らない」とか「○○につける薬はない」とか「憎まれっ子世に憚る」とか、そんな言葉を映像化したよーな映画でしたよね^^;
見応えがあって面白かったのですが、かなりイライラしました(^^ゞ

ではでは~、これからもよろしくお願いします♪

[547] >Akiさん

イライラするヤツいっぱい出てきましたねー。現実によく見かけるタイプの人間を、リアルにスクリーンに再現するのは、実は結構難しいんだと思います。映画では理想を描きたくなりますからね。その辺のサジ加減は絶妙だったんじゃないでしょうか。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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