SAYURI

スピルバーグが、ドリームワークスだのアンブリンだの総動員して製作した、堂々の大作。なのに、なんか色物の匂いがするのはオレだけ?まあ、とりあえず観てみよう。レイトで行ってきた。
演出は骨太でぶれてないし、2時間半の長丁場も、眠気に誘われることもなく鑑賞することができた。なのに、なんだかのめりこめなかった。「ラスト・サムライ」にはすんなり感情移入できたのに、なんでだろう?

疑問に思うまでもない。主要なキャストが日本人じゃないからだ。その証拠に、脇を固める日本人たちには、残らず共感できたし。

渡辺謙の紳士ぶり、役所広司の堅物ぶり、桃井かおりの姐御ぶり、工藤夕貴の豹変ぶり、そして大後寿々花の健気さ、可憐さ。みんな、愛すべきところがあって、画面の一部を占めるだけの存在感がある。日本人をこんなに真っ当に描いてくれると、本当にうれしくなる。

だけど、総合的な評価は高くできない。なんで、チャン・ツィイーなの?ミシェル・ヨーなの?コン・リーなの?

彼女たちの演技が悪いのではない。むしろ、日本人でもないのに日本人の心を真剣に演じようとする姿に、感動さえする。一途な愛に生き続けるさゆり、さゆりの成長に自分の持てる力を存分に注ぎ込む豆葉、嫉妬に溺れ身を滅ぼす初桃、みんなオーラが漂ってる。火花の散るような演技合戦は、どんな中国映画でも香港映画でも、これまでに観たことないほどだ。

でも、やっぱり大陸の人なのよね。どう見方を変えても、日本人じゃないのよ。ただでさえ映画なんて作り物の世界なのに、さらに嘘くささがつきまとってしまう。日本人がやってこその芸者でしょうよ。なんで、日本人にやらせてくれなかったの?

日本に、この役をこなせる役者がいなかったなんて思えない。絶対いるよ。だけど、世界的なネームバリューに負けてしまった。戦略的マーケティングが優先してしまった。それが残念で仕方ない。もっと世界で活躍する日本人女優が出てきてほしい。頼むよ、ホント。

アジア系の顔がみんな同じに見える欧米人には、エキゾチックな魅力に溢れたゲイシャワールドは、ものすごく興味深く観られるんだろう。世界的な評価はものすごく高いかもしれない。映画としての出来は悪くないからね。

だからこそ、ギャップを感じちゃうのかも。認めたくないのかも。悔しいのかも。

ケイリー・ヒロユキ・タガワやマコも出てたけど、彼らを見ると、「あー、これ向こうの映画だなー」って思っちゃう。せっかく日本を舞台にしてくれてるのに、素直に喜べない。つくづく残念だ。

<おまけ>
ジョン・ウィリアムズって、もう73歳のおじいちゃんなのに、こんなアジアンなスコア書いちゃって、ホントすごい。エンドクレジットは、目をつぶってその大胆なメロディラインとアレンジに浸りきりました。いろんな製作会社が絡んでて、全部紹介されるまでなかなか終わらないんだけど、それでも全然気にならなかった。もっと聴いていたかった。生涯現役、まだまだいい曲を作り続けてほしいもんです。

<12/16追記>
「Dのゲキジョー」に、100年に一人の芸妓と呼ばれる岩崎究香(みねこ)さんが紹介されていた。肉体的・精神的なイジメの数々と、そこから救ってくれた書道の大家のエピソード。エリザベス女王の嫉妬や、キッシンジャーのエロジジイぶり。不倫に溺れた先輩芸妓と、不倫相手の妻との恐ろしい逸話。戦争がなければ、ただの売れっ子芸者だったかもしれないSAYURIよりも、ずっと映画として語るにふさわしい話ばかりだった。やはり、本物にはかなわんね。

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Comment

[329]

映画ブログ始めました。
よろしくおねがいします。
私もサユリみたけどおもしろかったです。

[330]

>サマンサさん
はじめまして。ようこそです。
ブログがんばってくださいね。
オレもがんばりますのでー。

[331]

はじめまして~♪
Taoさんと同じく私も違和感だらけで、感情移入ができないまま観終わりました。
他のかたのレビューでは、評価が良いんですよね~。
私がヘン??なんて考えていたのでこちらのレビューを拝見して、思わずそーそーとうなずいてましたぁ!
この手の間違った日本描写映画にはうんざりします。
TBさせてくださいね!

[332]

>なぎささん
はじめましてです!
これからもよろしゅ~どすえ~(←リアルさゆり風)
オレの場合は、もう少し屈折してるんすよ。
映画としては面白かったんです。
でも、これだけヒト・モノ・カネをかけておいて、
主役は日本人じゃないのかよ、と悔しかったのです。
鳶に油揚げさらわれた感じとでも言いましょうか。
確かに絶賛評~容認評が大半ですね。
いろんな観方があって、面白いわ~。

[333]

ずいぶん辛口ですねぇ。
僕は、チャン・ツィイーもミッシェル・ヨーも違和感無かった。
彼女らにかなう日本女優が今いないのが残念です。

[334]

>ごんちっちさん
あれ?辛口ですか?
かわいさあまって憎さ百倍、という感想なんですが(笑)
映画としては、なかなかいいですよ。
変に突っ込もうとは思わないです。
ただ、残念でね。
スポーツでは、世界レベルの日本人がいるのに、
女優でこの人!ってのがないのは、哀しいですね。

[335]

こんにちは!
TBありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
まずはご挨拶でした!

[336]

>Leoさん
はじめましてです。
ブログ頑張ってくださいね。

[337]

お邪魔します~♪
日本人で誰が「さゆり」を演じられるかな?
英語が達者な人っておる?
僕は、チャン・ツィイーけっこうはまり役だと思いましたけが・・・

[338]

>はっちさん
難しいですねー。
英語の才能はわかりませんが、
もう少し若い頃の黒木瞳なんか、
いい味出しそうな気がします。
あと、個人的な好みではコニタンかなー(笑)
彼女、演技力は負けないものがあると思います。
個人的にチャン・ツイィーがタイプじゃないんですよね、実は。
だから余計に悔しいのかも。

[339]

はじめまして、台湾からです。先日「SAYURI」見に行きました。そして日本人はこの映画をどう思っているのか知りたくて検索でここを見つけました。
私もTAOさんと同じ感想です。見終わったときは「え?これで終わり?なんか虚しい(←悪い意味の)」、入り込めることができなかった。日本語と英語は両方ちょっと分かるので、「おかあさん、THANK YOU」みたいな、日本を二つの言葉を使ってる国みたいの部分は、見てて、やっぱりさゆりは中国人だなぁ、日本語しゃべると変だなぁとか、英語の発音も本格じゃないなぁとか、違和感いっぱいです。
一番英語の発音がきれいなのは工藤夕貴さんだと思います。桃井かおるさんが演じるおかあさんもその味があってよかったとおもいます。
やっぱり、この映画を日本人の役者で日本語でやってほしいですね。

[340]

こんにちは!
UKではこの映画は先週から封切りです。
実は息子を連れて見に行こうかどうか迷っていましたが、Taoさんたちのコメントを読んでDVDが出るまで待つことにしました。
これは映画の良し悪しではなく、この内容だと息子に沢山解説しないといけないと思ったからです。
となると劇場では他のお客さんに迷惑がかかりますからね。
UK生まれでUK育ちの息子には公平に物事を見る目を養って欲しいと思ってますので、こういった映画はどうして日本人がこう思うかちゃんと理解して欲しいと思ってます。
そのまま受け入れられてしまうのは・・・ちょっと、というところですね。
旦那(英国人)は「どこがいけない!」と言ってましたが(苦笑)
まあ、「ベスト・キッド」が大傑作と思っている人なんで(爆)無視してます。
そういえば、こっちのサテライトで中村敦夫の「水滸伝」と堺正章の「西遊記」をやってました。
これだから日本人と中国人がごっちゃになるんでしょうねぇ・・・

[341]

>マーさん
台湾からようこそです。
日本の方ですよね。日本語上手だし。
SAYURI、日本人にやってほしかったですね。
工藤夕貴は海外慣れしてるから、
こういう役はお手のものでしょう。
桃井姐さんも貫禄あってよかった。
あれはお母さんじゃなくて、やっぱ姐さんです。
>Weanaさん
「ベスト・キッド」が大傑作と思ってるご主人、
間違いなくいい人ですね。嫌いになれません(笑)。
欧米人から観れば、日本も中国も韓国も一緒ですから、
違和感なんて感じないでしょうね。
小さいお子さんが観たら、そのまま受け取ってしまうかな。
判断力がつくまで待つというのも、分かる気がします。
他の国を理解するのって、大変ですね。

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この作品はまず、スピルバーグが映画化し、キャストを日本で探しているという噂が流れたのです。私の周りにも是非オーディションを受けたい!という声を沢山聞きました。そして「R.Hがオファーを受けたが蹴った」とか「Y.Iがオーディションを受けたが落ちた」とか有名女優の

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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