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モンスター

去年のアカデミー賞をはじめ、主演女優賞争いの台風の目となった本作。まだ観てなかったので、DVD借りてきた。
初めて予告を観た時は、「え?これ誰?」だった。シャーリーズ・セロン、セレブ女優の面影これっぽっちもなし。あばただらけのノーメイク顔と、腰周り足周りにたっぷりとついたお肉。聞けば13キロも体重増やしたそうで、「スーパーサイズ・ミー」を超えている。体、大丈夫なのか?

ひとつ心配だったのは、いつもの美人顔とのギャップの激しさにみんな度肝を抜かれて、それだけで主演女優賞あげちゃったんじゃないの?ってこと。もしそれだけなら、ちょっと安易すぎる。

違った。彼女が変えたのは見た目だけじゃない。粗野な男のような表情、態度、行動、話し方、すべてが実在の人物、アイリーン・ウォーノスの生き写しなのだ。いやいや、本人を知らないんだから、断言できやしないはずなんだけど、あれはきっとそっくりだ。本人ですよと言われたら、そのまま信じるだろう。これまでのセロンのフィルモグラフィからは、考えられないチャレンジだ。

そして、この演技に説得力を与えるのが、あの顔なのだ。あの顔に、少しでも美人の片鱗が残っていたなら、「いやあ、セロンって演技うまいなあ」と思うだろう。それならそれでも問題はないのだが、本作のセロンはその限界を超えている。「あれ?ジョン・ヴォイト?」と思うぐらい無骨な顔立ちが、女優が演技していること忘れさせるのだ。本人を見ている錯覚に陥るのだ。実在の人物を描いた映画は数あれど、俳優が演技していることを意識させないのは、きわめてレアケースだろう。それをあの美人女優がやってのけたことに、驚きを隠せない。もし10年分の主演女優賞なんてのがあったら、彼女はその最有力候補になる。手に入れるかもしれない。

悲惨な少女時代を過ごし、世の中に愛想の尽きたアイリーン。もしもセルビーに出会わなければ、自殺していたかもしれない。人を殺したりはしなかっただろう。セルビーに出会い、彼女が大切な存在になってしまったがゆえに、自分をここまで貶めた男たちに復讐を始めるのだ。

最初の殺人は完全に正当防衛だが、その後の殺人は明らかに計画的だ。男が欲望まるだしにするのを待って、それを理由に射殺する。自分は、女を性欲のはけ口としか考えていない下劣なバカ野郎どもに、鉄槌をくだしているのだ。自分は正しいのだ。そう自分に言い聞かせながら殺人を重ねていく。

でも、最後のだけは違う。ワガママセルビーに追い詰められて、どうしても車が必要になって、善良な男を殺してしまう。これは間違ってるとわかっていても、セルビーには嫌われたくない。だから殺した。この1件だけで、彼女は死刑に処されるべきだろう。

しかし、そこまでアイリーンを追い詰めたセルビーは、本当にひどい女だ。何がひどいって、自分がひどい女だと気づいていないのがひどい。いつも正しいことを言ってると思ってる。不思議なことに、連続殺人犯のアイリーンには同情すべき点が多いのに、何も罪を犯していないセルビーには、終始腹が立ってしょうがなかった。自分は何もしないくせに、いつも相手を責めたてて、文句をぶつける。こんなバカ女さえいなければ、アイリーンは人を殺さずに済んだのだ。死刑にされずに済んだのだ。

だが、きっとアイリーンはこの意見に賛成しないだろう。何もない自分の人生に咲いた一輪の花、それがセルビーだった。彼女だけを大切に思い、彼女だけを頼りに生きた。セルビーに出会わなければ、アイリーンは人生の喜びを知らず、暗い一生を自ら閉じていただろう。

たとえそれが他人から見たら、バカらしくてアホらしくて、何も賭ける価値がないと思われても、彼女にとっては唯一の大事なものだった。一筋の光に出会えただけ、よかったのかもしれない。これはアイリーンが決めることだ。

ただ、最後に殺された男やその家族から見れば、アイリーンには同情すべきところはないし、死刑台の椅子に何度も何度も座らせてやりたいと思うだろう。アイリーンとセルビー、二人の出会いが、たくさんの人の命を巻き込んだ悲劇を生んでしまった。哀しいとしか言いようがない。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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