誰も知らない

柳楽優弥という少年が、カンヌの主演男優賞を最年少で受賞したというニュースを聞いて、「え?誰それ」と思ったのは、オレだけじゃないはず。そんな無名の少年の歴史的快挙をこの目で確かめるべく、DVD借りてきた。
一体何を「誰も知らない」のか、タイトルだけじゃわからない。映画を観て、大きな衝撃を受けた。こんな小さな子供たちが、東京の片隅で、大人の庇護をほとんど受けずに生きていた事実。本当にそんなこと、「誰も知らない」なんてことあるの?

実際にあったんだから、そんな疑問を持っても仕方がない、なんて言うなかれ。その生活の結末が、かわいい妹の死だったんだから。

初めは状況がよく飲み込めなかった。YOU扮する母親が、4人の子供を抱えて、あちこち転々としながら養ってる。父親はそれぞれ違う上に、あまり頼りにならない。そんな中で、明るさを失わずに、友達のように子供たちに接するYOUは、正直素敵だと思った。初めはね。

でも、本当に子供だったんだね。「私は幸せになっちゃいけないの?!」と、長男相手に逆ギレする姿は、人の進むべき道を歩もうとする能力が、完全に欠如している証明だ。そんなバカ親でも、母親として慕う彼らに、同情の念を禁じえない。

でも、学校に行かないで偉くなった人として、勝手な想像でアントニオ猪木を例に挙げちゃ失礼だ。すみません、ここ爆笑してしまいました。

金がなくなって、水道も電気も止められて、家賃も滞納。生活は際限なく汚れ堕ちていく。食事だって、期限切れのコンビニ弁当でしのいでる。これじゃホームレスと変わらない。まだ年端も行かない子供たちなのに。

学校って義務教育だと思っていたけど、行かなくても国は把握できないもんなのか。これは登校拒否や引きこもりなどとは、次元が違う。単に行ってないだけだ。子供を守り育てていく日本の教育システムって、案外穴が多いのかも。

タランティーノ絶賛の柳楽くん。難役を淡々とこなして、しっかりと主役を張っていた。時折見せる笑顔がいいんだなあ。14歳でこんなに独特のオーラを持っていたら、将来が楽しみというか空恐ろしいというか。今後も目が離せない存在であることに間違いはない。

実は柳楽くんよりも自然な演技で、その一挙手一投足に釘づけになってしまった子がいる。劇中、椅子から落ちて死んでしまう末っ子役を演じた、清水萌々子ちゃんだ。演出に秘密があるのか、それとも彼女の天性の才能なのか、嘘くささがまったくなかった。表情も仕草も台詞もすべて自然。笑顔がもうなんともいえないくらいかわいいのよ。彼女があの役をやったからこそ、この事件は強烈なインパクトで襲いかかってくるのだ。

ここまで書いて、実際の事件を調べてみた。→iFinder 雑読乱文

・子供たちには元々戸籍がなかった。だから、学校へ行かなくても、誰にもわからなかった。
・次男は、赤ちゃんの時に死んでしまい、母親は遺体をビニール袋に入れて、引越しの都度持ち歩いていた。
・女の子は3人いた。赤ちゃんだった三女は、長男の攻撃的な友達に、押入れの上から何度も落とされて蹴られて、そして死んだ。長男ともう一人の友達が、遺体を公園に埋めた。
・大家の連絡で、子供たちは警察に保護された。ニュースを見た母親が出頭し、三女がいないことに気づいた。長男がすべてを自供した。1988年、今から17年前の事件だ。

うわー、こんな事件だったのか。映画でさえ、かなりオブラートに包んで表現されていたのか。確かに、事件をそのまま映画化したら、最後まで観られない話になっていたところだ。

しばらく頭にこびりついて離れない、ショックな映画。そして、さらにショックな事件だった。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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