ふたりにクギづけ
身障者が主役のドラマなら山ほどあるし、苦難を乗り越えようと必死に頑張る姿は感動を呼ぶ。俳優だって演技のしがいがあるし、賞も狙いやすい(らしい)。でも、これがコメディとなると話が違う。下手すると、単なる笑いものにしてしまう。そんな映画、公開できるわけがない。製作者たちが尻込みするのも理解できる。
そんなこんなで、着想から完成まで実に13年もかかったらしい。ファレリー兄弟がそれなりの実績を挙げたからこそ、GOサインが出たといえよう。
冒頭から、結合双生児を前面に出したギャグの連発だ。ジョギングしていて電柱にぶつかる。カーテンで仕切って兄はH、弟はパソコンでメール。俳優志望の兄が一人芝居をしている間、弟は兄の陰で緊張して汗びっしょり。回想シーンでは、ピッチャーはやるわ、ボクシングはやるわ、もうこの体を使って笑わさなきゃもったいないと言わんばかりだ。
その後、兄弟がハリウッドに出ると、ギャグはさらに加速する。結合双生児であることを弟の彼女に隠すために、わざわざ車に乗ったままでデートしたり、ベッドで兄がぬいぐるみを着て隠れたり(このシーン最高!)。兄のTV出演では、カメラワークでうまく弟を映らないようにしたり(でも、ちょっと映ってる)、もう笑いっぱなしだ。
どうして、身障者ネタでこんなに気持ちよく笑えるのか。これこそがファレリー兄弟のファレリー兄弟たる所以だ。才能だ。愛情と言い換えてもいい。
ファレリー兄弟は、主役の二人を特殊な暮らしをしている身障者として描いていない。二人は周囲の健常者と同じ生活をしていて、それを周囲の人間が当たり前と受け止めているのだ。ただ、おなかがくっついているから、そこから笑いが生まれてるだけ。背の高い人間が、敷居に頭をぶつけるのと同じ感覚だ。
どんな人にも肉体的特徴があって、そこから生まれる笑いがある。ただ、ありふれた笑いなら映画にならない。結合双生児は、笑いがとれるのだ。だから映画にした。これは決してバカにしてるんじゃない。一種の才能として捉えているのだ。
その最たる例が、ハンバーガー作りの連携プレーだ。あれは、おなかがくっついているからこそできる業じゃないか。あれは、見ていてほれぼれするほどのカッコよさだ。こういう描き方ができるのって、素晴らしいことだと思う。
ビーチで横になるシーンで、兄が女優志望のモデルに言う。「(危険度が高い)ボクの方は手術してもいいんだけど、(安全な)弟の方がいやがるんだ」・・・こんな台詞が、二人を愛すべき主役にしている。見ていて気持ちがいい。ファレリー兄弟の愛情を感じた場面だ。
目立ちたがり屋の兄貴と、地味で田舎が性に合う弟。グレッグ・キニアとマット・デイモンが、それぞれの持ち味を生かして好演している。特典映像でおなかを結合する特殊メイクが披露されてたが、あれ思ったより大変ね。ただくっつけるだけじゃなく、自然に動けるようにしないといけないんだから。あれを作った人も偉いし、それに耐えた二人も偉い。
主役の二人に負けない好印象を持ったのが、エヴァ・メンデスだ。最近気になってはいたのだけど、この作品で完全にノックアウトされました。二人のおなかを見て、「クールね!」と自然に受け入れる登場シーンから、天真爛漫な彼女の笑顔にオレはクギづけ!明るくて、素直で、心優しく、その上ナイスバディとくれば、もう言うことなし!しゃべってる間、ずっと身振り手振りを止めないのよね。あれ、きっとアドリブだよ。才能ある女優だと思った。
ファレリー兄弟のコメンタリーによれば、彼女はオーディションで採用されたらしい。もちろん即合格。二人も絶賛していた。これには激しく同意します。
そのとおりと思ったら、ポチッ!
そんなこんなで、着想から完成まで実に13年もかかったらしい。ファレリー兄弟がそれなりの実績を挙げたからこそ、GOサインが出たといえよう。
冒頭から、結合双生児を前面に出したギャグの連発だ。ジョギングしていて電柱にぶつかる。カーテンで仕切って兄はH、弟はパソコンでメール。俳優志望の兄が一人芝居をしている間、弟は兄の陰で緊張して汗びっしょり。回想シーンでは、ピッチャーはやるわ、ボクシングはやるわ、もうこの体を使って笑わさなきゃもったいないと言わんばかりだ。
その後、兄弟がハリウッドに出ると、ギャグはさらに加速する。結合双生児であることを弟の彼女に隠すために、わざわざ車に乗ったままでデートしたり、ベッドで兄がぬいぐるみを着て隠れたり(このシーン最高!)。兄のTV出演では、カメラワークでうまく弟を映らないようにしたり(でも、ちょっと映ってる)、もう笑いっぱなしだ。
どうして、身障者ネタでこんなに気持ちよく笑えるのか。これこそがファレリー兄弟のファレリー兄弟たる所以だ。才能だ。愛情と言い換えてもいい。
ファレリー兄弟は、主役の二人を特殊な暮らしをしている身障者として描いていない。二人は周囲の健常者と同じ生活をしていて、それを周囲の人間が当たり前と受け止めているのだ。ただ、おなかがくっついているから、そこから笑いが生まれてるだけ。背の高い人間が、敷居に頭をぶつけるのと同じ感覚だ。
どんな人にも肉体的特徴があって、そこから生まれる笑いがある。ただ、ありふれた笑いなら映画にならない。結合双生児は、笑いがとれるのだ。だから映画にした。これは決してバカにしてるんじゃない。一種の才能として捉えているのだ。
その最たる例が、ハンバーガー作りの連携プレーだ。あれは、おなかがくっついているからこそできる業じゃないか。あれは、見ていてほれぼれするほどのカッコよさだ。こういう描き方ができるのって、素晴らしいことだと思う。
ビーチで横になるシーンで、兄が女優志望のモデルに言う。「(危険度が高い)ボクの方は手術してもいいんだけど、(安全な)弟の方がいやがるんだ」・・・こんな台詞が、二人を愛すべき主役にしている。見ていて気持ちがいい。ファレリー兄弟の愛情を感じた場面だ。
目立ちたがり屋の兄貴と、地味で田舎が性に合う弟。グレッグ・キニアとマット・デイモンが、それぞれの持ち味を生かして好演している。特典映像でおなかを結合する特殊メイクが披露されてたが、あれ思ったより大変ね。ただくっつけるだけじゃなく、自然に動けるようにしないといけないんだから。あれを作った人も偉いし、それに耐えた二人も偉い。
主役の二人に負けない好印象を持ったのが、エヴァ・メンデスだ。最近気になってはいたのだけど、この作品で完全にノックアウトされました。二人のおなかを見て、「クールね!」と自然に受け入れる登場シーンから、天真爛漫な彼女の笑顔にオレはクギづけ!明るくて、素直で、心優しく、その上ナイスバディとくれば、もう言うことなし!しゃべってる間、ずっと身振り手振りを止めないのよね。あれ、きっとアドリブだよ。才能ある女優だと思った。
ファレリー兄弟のコメンタリーによれば、彼女はオーディションで採用されたらしい。もちろん即合格。二人も絶賛していた。これには激しく同意します。
そのとおりと思ったら、ポチッ!
Comment
コメントの投稿
Trackback
http://creview.blog67.fc2.com/tb.php/397-f0e1a877