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ブロウ

今日はジョニー・デップ祭り。「チャーリーとチョコレート工場」を控え、「フロム・ヘル」に続いて、今日は2本目だ。
70~80年代のコカインの80%をさばいていたと豪語する伝説のドラッグ・ディラー、ジョージ・ユング。確かに、ここという時のタイミングを逃さない商才は天才的だし、肝っ玉も据わってる。大した男だ。

なのに、映画を観終わって彼に感じるのは、哀れで情けなくてしょぼいという印象だ。仲間に裏切られ、家族にも愛想を尽かされ、捕まっては逃げ、逃げては捕まっての人生。一時はすべてを手に入れたかに見えたのに、気がついてみればすべてを失っている。もっとも蔑むべきは、何度かあったやり直すチャンスを、全部逃していることだ。誰のせいでもない、ただ自分がダメ男だっただけ。彼に救いの手を伸ばす必要はない。自業自得なんだから。

もっと言えば、彼の人生の歩みの陰には、薬物中毒で苦しんだ大勢の人々が間違いなくいる。映画の中では、それをほとんど描いておらず、ユングの視点だけで話が進んでいく。ある意味ずるいと言えよう。だから、彼には同情もしたくないし、ましてや弁護する気などさらさらない。してやらない。

・・・と、オレの理性は声高に叫んでいる。しかし・・・

懐の広い息子思いの父親と、母性愛が欠落した母親失格の女の間で育ち、あんなんじゃなくてもっと愛に満ちた家庭を築こうと思っていたのに、いつのまにか同じ轍を踏んでいる自分に気づく。もがいてももがいても、一度はずれた車輪は元の軌道には戻らない。もがき方が間違ってるなんて思いもよらず、いつまでもわずかな希望にすがりつき続ける。きれいに育った娘と抱き合うラストの虚無感には、観ているこっちまで引き込まれた。

最後の最後に登場する、ユング本人。愚かな男の末節には、カリスマ性のかけらも感じられない。映画は、イケメンデップのおかげでまだ観られた。実際の顔には、疲れと汚れしか残っていない。哀れだ。哀れな男の物語だった。

DVD特典に、ユングと監督のぶっちゃけトークが収録されていたが、あれを見て、デップがマジで本人そっくりだったことに、舌を巻いた。彼のすごさはここにある。きっと、大して努力したわけじゃないだろう。全部、天性のセンスで演じてしまっているのだ。あらためてすごい俳優だと認識した。

いつもひねた役柄で、あまりいい印象のないレイ・リオッタ。彼に対する見方が、この映画で180度変わってしまった。それくらい、ここでの父親役は素晴らしい。こんなにいい表情する男だなんて、今の今まで知らなかった。こういう役をもっとやればいいのに。

前半はべっぴん女、後半はボロクソ女房。女の変身を見事に演じたペネロペ・クルス。ああいう女は、カタギの男には手におえません。ドラッグディーラーかヤクザにしか、お相手は無理でしょう。まさに「極道の妻たち」メキシコ版。キレイなバラには、とんでもなく大きなトゲがあるのね。

<おまけ>
ユングとのトークで、やたら盛り上がっていた監督のテッド・デミ。映画完成の直後に急死したが、遺体からはコカインが検出されたらしい。ミイラとりがミイラに・・・とはまさにこのことだ。気のいいオヤジに見えたんだけどね。もしかして、あのテンションは・・・。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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