宇宙戦争

スピルバーグとトム・クルーズ。この2人の信頼できるフィルムメイカーには、まったく不安を感じない。「バットマン ビギンズ」に続く、夏の大作第2弾をレイトで観てきた。
ジョージ・パル製作の1953年版で思ったのは、ラストが弱いということだ。微生物が宇宙人を退治するという展開は、小説ではなかなか感慨深い。でも、それを映像にしたら、絵的にしょぼいだろう。結局ナレーションで処理するしかないのだが、あっけない幕切れ感は否めない。果たしてリメイクでは、この問題に対して何か手を打つのだろうか?

微生物のCGを冒頭に持ってきて伏線を張り、ラストに繰り返すのも、一つの対策だと思う。でも、それだけなら珍しくもない。最大の作戦は、ナレーターにあの男を配したことだ。その名もモーガン・フリーマン!

おお、モーガン!彼の独特な声を判別できないアメリカンは、今や少数派と思われる。そして、その信頼感は絶大だ。彼の口調は、本来の持つ重みを百倍にも千倍にも変える力を持つ。そして、エンドクレジットの最後に彼の名前を出すことで、観客はまた思うのだ。おお!やっぱりモーガン!と(笑)。

ある意味、目くらまし的な戦術だけど、オレには十分通用しました。ラストについては、いろいろ考えたんだと思う。でも、変に奇をてらうより、原作どおりが一番と判断したんだろうね。不安だったけど、これについては、まずまず合格点をあげたい。

宇宙人が破壊と殺戮の限りを尽くすスペクタクルな映像は、本当に目を見張った。あまりのスリルと迫力に、席から身を乗り出したり沈めたりと、まあ忙しいこと。スピルバーグは流石だ。こういう映画で発揮される彼の本領は、見逃すべきではない。オレはしっかり堪能しました。満足です。

トム・クルーズの最近の役選びには、チャレンジ精神を感じる。「ラスト・サムライ」では飲んだくれの軍人、「コラテラル」では非情な殺し屋と、ストレートなヒーローは「MI:2」以降皆無だ。そんなトム君に好感度大なオレだから、ダメオヤジな彼にもすっかり感情移入しちゃいました。娘に子守唄をせがまれても歌えず、そっぽを向かれてしまい、知ってる歌を涙ながらに歌うトム君。あれは、この映画最大の見せ場の一つよ。オレももらい泣きしそうになったもん。

ただ残念なのは、脇のキャラがみんな薄いこと。人間として成長するのはトム君だけで、あとはそれほどでもない。かろうじて、ダコタ・ファニングがちょっとなついたくらいだ。

新星ジャスティン・チャットウィンは、「ボクも戦うんだ!」と、トム君を振り切り、妹を見捨てていなくなったくせに、ちゃっかり先にママのもとに帰ってる。お前偉そうなこと言ってて、何しとんねん!最後に「父さん!」って、もう遅いよ。

ボストンの実家で、来るかどうかもわからない子供たちを待ってたママ。「子供たちを助けるために家を出てて、入れ違いになったらどうしよう」と、いらん心配してたオレがバカだった。身重だから動けなかったんだろうけど、それさえ逃げの設定に見えてしまう。母親の愛情、あんまり感じられなかったね。

ティム・ロビンスも初めは勇敢だったけど、最後は気が触れてしまい、結果、宇宙人じゃなくて人間に息の根を止められる。うなるような場面がなくて、アカデミー賞俳優がやるほどの役じゃなかった。

てなわけで、脇役の魅力が欠けていて、とても残念。でも、トム君の成長ぶりを引き立たせるためだったとすれば、それは成功しているのかも。大体最近は、渡辺謙にしろ、ジェイミー・フォックスにしろ、共演者の方が目立つケースが続いてるからね(笑)。

まあ、ちょっと不満は残るけど、総合的には期待に応える出来だったし、これだけの映画はそうそう作られるものじゃない。素晴らしい映像体験をさせてもらった。まだまだ、この2人のファンを続ける価値はありそうだ。

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Comment

[173]

あのラストはやはりスピルバーグの原作への感謝の気持ちだったような気がします。
あの迫力の映像と相俟って、僕はなかなか深いラストだと感じました。
ここでもやっぱりモーガン・フリーマン、でしたね(笑)
TBさせてもらいます♪

[174]

 はじめまして、Taoさん。
 最近、やっとブログというものをちらちら散歩するようになりました。写真や映画などのブログを主にぶらついています。
 これからも時々おじゃまさせていただきたいと思っています。
 道内においては札幌が一番映画館が沢山あっていいですよねぇ。
 道産子として応援したいと思っています。レポート楽しみにさせていただきます、頑張ってくださいね。
 さて、宇宙戦争ですが。私としてはちょっと残念でしたね。
 スピルバーグとトムクルーズ、どちらも好きなので
期待していたのですが。
 彼らが映画にしてもあの程度ならば やはり、 いまさら映画にする小説ではないのかもしれないなぁっと思った次第です。

[175]

>sinさん
偉大だからね、原作は。
批判を恐れて勝手に変えちゃったら、
それはそれで文句も出たでしょ。
あのラストは、唯一の正解なんですよ、きっと。
>judoさん
札幌いいですよねー。
映画ファンにとっては、東京よりいいんじゃない?
今住んでるのは札幌じゃないんで、ちと残念。
あまり乗れなかったんですね。
感じ方は人それぞれですから、仕方ないですね。
小説は確かに古いですしね。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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