ラスト・キャッスル

予告編がなかなか期待させる出来で、本国での評価も高いらしい。前から観たいと思っていて、ようやくDVD借りてきた。
これは単純な刑務所暴動映画ではない。2種類のリーダーシップを通して、何が人間を動かすのかを描いている。刑務所を舞台にしてはいるが、あらゆる組織に重ね合わせることができる、普遍性の高い物語だ。

荒れていた刑務所を権力で抑える所長。バスケットボール1個でいざこざを誘発して、ガス抜きをさせたかと思ったら、調子に乗らせないように、ゴム弾で威嚇して、圧倒的な力を見せつける。

彼のやり方は、それなりの成果を上げていて、一見うまくいってるように見える。所長も、自分は有能だと信じて疑わない。

ところが、歴戦の名大将を囚人として迎え入れてから、事態は一変する。アーウィンは、人を力で抑えつけたりはしない。軍隊式の規律は重用しながらも、ひとりひとりの自尊心を大切にして、自分で考えて自分で行動できる人間を育て上げていく。戦場ではマニュアルなんか役に立たず、一瞬一秒の判断が、自軍の勝利と自らの命の行方を左右するからだ。

人は権力者に追従すると思われがちだが、それは実は正しくない。人は、自ら前線に立つリーダーについていくのだ。自分も汗をかくリーダーは、チームのメンバーそれぞれが力を発揮して、その総合力で対処しなければ、ことを成しとげられないことを知っている。これは、机に陣取って本を読んでるだけの、頭でっかちには絶対にわからない。人を動かして自分はのうのうと高みの見物を気取る所長には、一生かかっても理解できないだろう。

脱獄ではなく、所長の解任が目的の刑務所映画なんて珍しい。クライマックスのアクションは本格的だし。それまで斜に構えていた男が、命を賭してヘリを奪取する場面は、そういう展開になるとわかっていても、感動してしまった。

逆さに掲げられたと思われた星条旗が、上下正しくたなびくラスト。アーウィンの崇高な軍人魂に、完全に屈服する所長。観ているオレまで、ロバート・レッドフォードにひれ伏したくなった。

リーダーシップは、生まれ持ってのものじゃないと思う。でも、勉強したからって身に着くもんでもない。戦場での判断と経験が、自然に蓄積されて作り上げられるものだ。そして、自分ひとりの力には限界があり、仲間の才能に敬意を払える人間が、リーダーシップを発揮できるのだ。苦労を知らず、権力に頼るエリートに、人の上に立つ資格はない。

そのとおりと思ったら、ポチッ!

Comment

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

http://creview.blog67.fc2.com/tb.php/299-8e27bc92

«  | HOME |  »

タイトル一覧/記事検索


最新記事


記事ランキング

アクセス解析


検索ワードランキング


レンタルCGI


最新トラックバック


最新コメント


カテゴリ


プロフィール

Tao

Author:Tao
性別:♂
子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


RSSフィード


リンク



【BDもDVDもBOXで!】


【あの映画をお手元に!】