アダプテーション

「マルコヴィッチの穴」は、奇想天外な展開は面白かったけど、世間の絶賛ほど乗れなかった記憶がある。なので、本作に多大な期待はしてないが、各賞授賞&ノミネートで話題にはなっていたので、DVD借りてきた。
どこまでが本当で、どこからが虚構なのか、考え出すときりがない。最初は、本当に双子の弟がいるのかと思ったもんね。途中から、完全にフィクションだと思ったけど、蘭のことを書いた原作は、どうやら本当に存在するらしい。

原作者のスーザンは、「仮想現実的体験」(?)ということで、原作を下敷きにして、奇天烈な話に本名で登場することを承諾したようだ。でも、観客は区別つかんと思うよ。原作には本当のことは書いてなくて、麻薬中毒で、そして殺人未遂の凶悪女だと思っちゃうよ。いやはや、心が広いというか・・・。

一人二役のニコラス・ケイジが芸達者ぶりを披露すれば、中年女の浅はかさや恐ろしさをメリル・ストリープが貫禄で体現。そして、なんといってもクリス・クーパーだ。蘭に取りつかれた破天荒オヤジって、今までの彼の渋いフィルモグラフィにはなかったと思う。なのに、吹っ切れた感じで演じてて、それは新鮮だった。こんな役でアカデミー賞もらっちゃうのは、ちょっと複雑な気もするけどね。

自分を主役にして、「マルコヴィッチの穴」の撮影風景を、本物の俳優を登場させて再現しちゃう。いもしない弟に、うんざりしたり、羨望したり、助けられたりする。本当にある原作をねじ曲げておきながら、その原作者を登場させる。すごい脚本だけど、映画化されなくても不思議はない。ていうか、普通無理でしょ。それを実現できたのは、この脚本家と監督のネームバリューのなせる技か。プロデューサーもご苦労様でした。

とまあ、すごいことはすごいんだけど、個人的には「マルコヴィッチの穴」と同じ感想になってしまった。独創的なアイディアには感嘆する。それだけで満足できる人もいるでしょう。オレはなぜか物足りないと思ってしまう。なぜかね。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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