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ジョゼと虎と魚たち

いかにも最近の日本映画にありがちな変なタイトルに思えて、食指が動かなかった。でも、あまり悪い評判を聞かないので、気にはなってた。DVD借りてきた。
完璧ノックアウト。ここ最近の邦画では、抜きん出てます。はまってしまいました。

最初に「この映画はまるかも」と思ったのは、恒夫がスクーターから降りる場面。メットと手袋を、サドルの下の収納スペースに入れる。別に何でもないところだけど、あれって、普段スクーター乗ってる人じゃないと、あんなことするって知らないよね。オレも乗るから、それだけで感情移入しやすくなった。たったあれだけで、主人公の所作を細やかに描く姿勢を感じて、好感を持ちました。

妻夫木って、泣いたりわめいたりする演技が食傷気味で、どちらかというと嫌いな俳優だった。この作品では、そんなうざったい顔を見せることなく、普通の20代の青年になりきっている。ていうか、素の顔だと思うけどね。さっきの描写もあって、自然と自分を恒夫に重ね合わせられた。

そして、そんな恒夫が出会う、邦画史上に残るだろうインパクトのヒロイン、ジョゼ。スローでぶっきらぼうな関西弁は、ずっとおばあちゃんと過ごしてきたせいだろう。愚痴や皮肉が多いのもそのせい。「ど厚かましい男や」「殺す気か」「感謝しいや」。でも、それを彼女が言うと新鮮で、思わずふふっと笑ってしまう。愛しさを感じてしまう。恒夫でなくとも、惹かれてしまう。誰でもできる役じゃない。

そんなジョゼに命を吹き込んだのが、池脇千鶴だ。彼女の演技を見たことなかったし、ただのかわいい女の子とあなどってた。こんな難役こなすとは、一流の女優です。ジョゼは、元々魅力的なキャラなのか、彼女が演じたから魅力的なのか、判断がつかない。それくらい、池脇千鶴、光ってます。いくら褒めても褒めたりない。

恒夫に味見させた菜ばしが止まったり、ノートをさした指が触れて固まったり、ジョゼが恒夫を好きになっていく過程は、とても抑えて表現されている。声高でない方が、観客は気づく。はっとさせられる。ほかの場面もそう。説明がすくない分、観てる方は想像力で埋めていく。勝手にこうだろうと考えて、うんうんわかるわかると、のめりこんでいく。こういう脚本、こういう演出、そうそうできるもんじゃないです。

おばあちゃんが死んだと聞いて、ジョゼを訪ねた恒夫。ジョゼの感情が爆発して、二人が結ばれるまでのワンショットは、彼女の言葉すべてが胸に迫ってきて、涙が出た。あそこの台詞、全部そらで言えるくらい効いた。

脇役の描き方もうまい。ジョゼのおばあちゃん、近所の子、隣のヘンタイ、恒夫の弟、香苗ちゃん。そんな中、一番おいしいのがジョゼの幼馴染の幸治だ。口を開けば、「いてまうぞ!ボケ!なめとんのか!しばくぞ、コラ!」。でも、ジョゼの一言「だまっとき!」にはかなわない。本当はジョゼが好きなんだろうね。なんだかんだ言って、愛車は貸すし、犬は預かる。そういや、ホームセンターで人殴ってたね。殺人はいかんよ、殺人は(笑)。

「ご褒美に、この世の中で一番Hなことしてええわ」と言われて、何すんのかと期待したら、目隠しかよ!しかも、恒夫本人までしてたね。あれは笑えた。笑ったと思ったら、別れを匂わすジョゼのひとりごと。「それもまたよしや・・・」。そして別れ・・・。

同じ町に住んでいても、もうジョゼには会えない。彼女のせいじゃなく、嫌いになったわけでもない。自分から別れたくせに、涙が止まらない。身勝手な男心だけど、オレも一緒に心で泣きました。

また一人に戻り、淡々と日々を生きていくジョゼ。あれはある意味、身勝手な男の、こうあってほしい願望でもある。「オレがいなくても、強く生きてほしい」って。女は男が思うよりずっと強いから、そんなこと考える必要はないんだけどね。でも、やっぱり思う。「ジョゼ、何もできなくてごめん」って。

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Comment

[49]

私もこの作品は
心をギュっとされた作品でした。
いろんなこと、すごーく考えてしまう
そして涙が出ちゃいます…。いい作品。

[50]

>chishiさん
いいですよね、この映画。オレも心がギュっとされました。あとから色々考える作品でもあります。
ジョゼ、魅力的でした。そして、別れてしまう恒夫の気持ちもわかる気がする。この感じ、一言では言えませんね。

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ジョゼと虎と魚たち

この作品、有名なのだけれど今ひとつ観る気になれず。ラブストーリーってあまり好きじゃないのですわ。いつもビデオ屋で一度は手にするんだけれど棚に戻してしまう。でも犬童一心監督って最近活躍してるし、さすがに観ないとまずいでしょというのでやっとDVDで観てみま

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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