アントキノイノチ

海外での評価は高いようだし、原作がさだまさしということで、
ちゃんとした感動ものということもわかる。
でも、あんまり積極的に観たいとは思わなかったのよね。
イオンシネマのタダ券を使って鑑賞してきた。

やっぱりこのタイトルが微妙だよね。
どう考えてもダジャレだし、その大元はあの「ダー!」の人だよ。
これが感動に結びつくとは思えない。

主役の二人にもそんなに興味ないし、
予告編で流れる主題歌も若者向けで趣味じゃない。
GReeeeNっていうんですか?
キー打つのもひと苦労だわ。
グリーンじゃダメなの?(ダメだわな)

それでもわざわざ劇場に足を運んだのは、タダ券のリミットが近づいていて、
他に観たいのがなかったせいだけではない。
先日、この映画の前日譚にあたるドラマを見たからだ。

「アントキノイノチ~プロローグ~天国への引越し屋」の主役は、
本編では脇役の佐相だ。
ここでは、佐相がクーパーズで働き始めた経緯や、
仕事を通じての葛藤が描かれていた。
クーパーズの創立エピソードも古田社長の口から語られ、
それを聞いたゆきも居酒屋を辞めて会社の一員となる。

1時間ほどの短いストーリーで、ここには杏平は出てこない。
でも、遺品整理業の世界を垣間見ることができて興味深かったし、
佐相を演じた原田泰造がいい味出しててよかった。
この続きなら観てみたいかも。そう思ったのだ。

そんなわけで、結局はちょっと期待して劇場の椅子に座ったのだが、
結論から言うとあんまり胸に響くような映画ではなかった。
理由はいくつかある。

ひとつは、こっちの問題だ。
主役二人の生きてきた過程があまりに過酷すぎて、
のらりくらりと生きてきたオレには感情移入が難しかった。
オレもいじめらしき行為を受けたことはあったけど、あそこまでひどくはないし、
ましてやレイプされた女性の気持ちなど、わかる方がおこがましいだろう。
自殺を考えたことのない人間には、この映画重すぎます。

主役二人の演技も悪くはなかったけど、
絶賛するほどでもなかったと思うのはオレだけか。
特に榮倉奈々が泣きながら過去を告白する場面は、
頑張ってるのはわかるけど、合格点には届いていなかった。
あの重要な場面で、そう思ってしまったのは致命的だ。
こういうこと書くのは申し訳ないんだけどね、頑張ってるのがわかるだけに。

終盤に明かされるタイトルの理由。
これも、やっぱりとってつけた感は否めない。
こんな重い話、ダジャレにしていいもんなの?って普通に思っちゃう。
重いから軽くしたいというのは頭ではわかるんだけどね。
そんでもって海に向かって「元気ですかー!」なんだもん。
他人事として見てしまってもやむを得ないわ。

ところがこのセリフ、結構重要みたいで、ラストにも出てくるのよね。
ゆきが命を張って守った小さな女の子に向かって、極めて近距離で杏平が叫ぶのだ。
うーん、感動ワードなのかなあ。
最後まで違和感拭えず。

こういう感覚は国内限定だろうから、
外国人の方があれこれ惑わされずに観られるのかも。
モントリオールでなんとか賞をとったのも、そういうことだろう。
レンズの曲がったメガネを通してしか観られないオレには、相性が悪い映画なのだ。

脇役の面々は、いい仕事をしていた。
筆頭は、杏平をいじめまくっていたクソガキ松井を演じた松坂桃李だ。
こいつ、ホントに憎たらしいのよ。
普段は調子こきで、陰湿な方法で他人を追い詰めて、
いざ牙を向かれると小便垂らしてへたりこむ。
いくらイケメンでも、クズはクズ。
そんないいとこなし野郎に徹頭徹尾なりきった彼はすごい。
全く共感できない役柄に悩みながら演じたようだが、
そのおかげで日常生活に普通に存在する悪を明確に浮かび上がらせていた。
この映画の影のキーパーソンはヤツだ。
ホント、死ねばいいのに。

佐相と社長は、もっと出番があったらよかったのに。
ドラマ見てたから、こっちの方が感情移入しやすかった。

遺品整理業の仕事ぶりをじっくり見られるのも、収穫のひとつだ。
高齢化と未婚化はこれからどんどん進んでいくはず。
長生きはいいことばかりじゃない。
ひとりで生活するということは、ひとりで死ぬということだ。
孤独死の問題は、オレにとっても他人事ではない。
やだよね、死後2ヶ月も見つからないなんて。

そう考えると、自由気ままなひとり暮らしも前途多難だなあ。困ったもんだ。
やっぱり大切なのは、人と人とのつながりなのよね。
映画なんかに教えられなくても、こんなことわかってるつもりなんだけどね。

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No.277 アントキノイノチ

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まとめ【アントキノイノチ】

海外での評価は高いようだし、原作がさだまさしということで、ちゃんとした感動ものということもわかる。

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