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コンテイジョン

「全員アカデミー賞」の謳い文句が華々しい、ソダーバーグ監督の最新作。公開初日、イオンシネマのレイトで観てきた。
厳密に言うと、ポスターに顔を出している主要キャスト6人全員が受賞しているわけじゃない。ノミネートも含むと、という注釈つきだ。ジュード・ロウやローレンス・フィッシュバーンって、獲ってたっけ?と疑問に思ったら、そういうことだった。まあそれはいい。ノミネートだけだって大したもんだ。

今回に限らずいつも気になるのだが、こういうときマット・デイモンの脚本賞を並べるのはいかがなもんかね。役者として出てるんだから、役者での評価でないとさ。彼の場合、「グッド・ウィル・ハンティング」でも「インビクタス」でもノミネートはされてるんだから、そっちでいいんじゃないの?

そんな以前からのモヤモヤはさておき、本作の豪華競演は本当にすごい。アルファベット順で、WHOから香港に派遣されるのがマリオン・コティヤール。妻と息子を亡くし隔離される男にマット・デイモン。CDCで陣頭指揮を執るのがローレンス・フィッシュバーン。ネットで世間を煽るフリージャーナリストにジュード・ロウ。アメリカ人最初の被害者となるのがグウィネス・パルトロウ。フィッシュバーンの部下で現地に派遣されるドクターにケイト・ウィンスレット。他にも、ワクチン開発の糸口を見つける大学教授でエリオット・グールドも元気なところを見せる。彼もアカデミー賞にノミネートされてるんだけどね。すっかり過去の人扱いは失礼じゃない?

これだけの芸達者がそろった本作だけど、アカデミー級の演技が観られるかというと、決してそうではない。悩んだり悲しんだり怒ったり死んだりってのは、それほど難しいものではないはず。強いて言えばジュード・ロウはエキセントリックな役どころだったけど、彼はああいうの得意だものね。

だから正直、「こんなに有名どころ集める必要あったの?」と思いました。逆に無名の役者の方が、この恐ろしい物語にもっとリアリティを与えるんじゃないのか、と。

でもこういう話だからこそ、演技に不安のない俳優陣が必要だったのかもしれない。ひとりでも下手くそがいたら、映画に入り込むことはできないものね。そういう意味で、今回のキャスティングは正しいし、これだけの俳優を集められるソダーバーグは、監督として適任なんだろう。

ダスティン・ホフマンの「アウトブレイク」は完全にエンターテインメントだった。しかし本作は、フィクションの体裁は取っていても、むしろドキュメンタリーに近い。伏線やセリフや小道具や音響や特殊効果などの映画的な盛り上げはほとんどなく、恐ろしい感染症が急速に世界に広まっていくさまを、神の視点で見せてくれるだけ。観客はどうすることもできずに、ただそれを見守るしかない。

もしも驚異的な致死率の新型ウィルスが人類を襲ったら起こるであろう出来事を、この映画は丹念に描いている。感染経路の特定のために大量の監視カメラ映像をチェックしたり、患者を収容するための広い場所を手配したり、ワクチン開発のために何度も何度も試行錯誤を繰り返したり、ワクチン配布の順番を誕生日で抽選したり。

さまざまな人間ドラマも、この映画の見どころだ。最初に死んだベスは、感染経路調査で浮気していたことが判明する。ベスの夫ミッチは娘を守るために外出を禁止し、会いにきたボーイフレンドを追い返す。CDCのミアーズは自ら感染してしまい、他人への気遣いを見せながら死んでいく。同じくCDCのチーヴァーは、自分の妻を助けようと極秘情報を流したことがバレて問責される。同じくCDCのヘクストールは、自分の体を実験台にしてワクチンを完成させる。WHOのオランテスは香港で拉致され、入手困難なワクチンとの交換条件に使われる。ジャーナリストのアランは扇情的な記事をブログで流しまくって逮捕されるが、彼を支持する人々からの支援で保釈される。

これだけの並行するストーリーを、混乱することなくさばいてみせたソダーバーグの手腕は素晴らしい。最後はすべての発端となった「1日目」にちゃんと収斂していて、観終わって納得感があったし。

「人類はどうなってしまうのか」という壮大な本筋と、数々の人間模様が有機的に絡み合って、あっという間の106分だった。現実にはこんなことが起こらないことを祈るばかりだ。

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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