ランゴ

「主役のカメレオンがジョニー・デップに見えてくる」という噂を確かめたくて、イオンシネマのレイトで観てきた。
実際のところカメレオンはカメレオンなので、噂のような事態にはならなかった。でも、声も口調もジョニデだから、彼が好きな人ならそう思っても不思議ではない。

予告編にもジョニデ本人がセリフをしゃべる姿が使われていて、エモーション・キャプチャーの技術がふんだんに活かされてるみたい。「猿惑ジェネシス」のパフォーマンス・キャプチャーと違って、こちらは変なヘッドギアだのスーツだのは必要なく、役者たちは録音スタジオみたいなところで自由に演技をすればいいようだ。

実際の俳優の演技を元に作られたアニメーションは、これまでの同類作品と比べてひと味違う気がする。質感や動きが、アニメでありながら実写にすごく近いように感じるのだ。これだけのものを作るのは手間的にも金銭的にも大変だと思うけど、観ていて飽きが来なかったので、これからもこういうのは観てみたいね。

ジョニデ以外のキャストを知らずに観たので、エンドクレジットで驚きの連続。黒幕市長がネッド・ビーティ。ランゴに道を示すアルマジロがアルフレッド・モリーナ。大蛇の死神ジェイクがビル・ナイ。水泥棒の親玉がハリー・ディーン・スタントン。ここまで来ると、「西部の精霊」はもしかして!と期待したが、さすがに御大本人じゃなかった。でもティモシー・オリファントというのも、別の意味でびっくり。意外とものまねうまいのね。

西部劇の時代が舞台だと思い込んでいたので、ランゴがハイウェイで車から放り出される冒頭は、正直面食らった。どうやったらこれがウェスタンの話のなるのか疑問だったが、ただただ砂漠を歩いていったら、動物たちのそういう町があったという、説明もへったくれもない荒々しい設定。でも映画はどんどん進んでいくから、受け入れていかないといけないよね。この有無を言わさぬ展開は、ある意味すごい。

調子に乗って嘘八百を並べたら、それを周りが信じてしまい、保安官という肩書きを手に入れるランゴ。しばらくは生来のテキトー精神で乗り切っていたが、いい加減な自分が少しずつ鳴りを潜め、みんなが期待する保安官へと変貌していくのが面白かった。最初は肩入れ不可能なキャラだったのに、後半はランゴを応援してたもの。

自分が何者なのか。何のために生きているのか。カメレオンならではの自問自答なんだけど、共感できる部分はかなりあります。こんなに深い問いかけをしてくるとは、まさか想像してなかった。ジョニデが本作に出演を決めたのは、単にヴァービンスキーに頼まれたからだけじゃないんじゃない?

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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