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ツレがうつになりまして。

観よう観ようと思ってずるずる先延ばしにしていたが、やっと観てきた。イオンシネマのタダ券で鑑賞。
実は自分もうつになりかけたことがある。数年前、かなりきつい上司の下に配属になった時のことだ。指示に従って仕事をしても、報告すると怒鳴られる。やり直して持っていくと、また怒鳴られる。それを数回繰り返していくうちに完成形に近づいていき、細かい指示が出る段階でやっと終りが見えてくる。毎日がこれの繰り返しだ。

とにかく頭のいい人なんだけど、指示の仕方がうまいとはお世辞にも言えない。でも終わった仕事を振り返ると、確かに最初に指示された通りだったりして、こっちの力不足を思い知らされるという具合。オレだけだったらオレの能力不足で済むが、周りもそうだったので大変な上司だったことは間違いない。

それでも終盤の頃は、その上司もわずかながら認めてくれるようになったので、だいぶ楽にはなった。最後まで怒鳴られてる人はいたので、自分はまだいい方だった。厳しかったけど色々勉強になったし、今となってはいい経験をさせてもらったと思っている。今となってはだが。

体調がおかしくなったのは、彼の部下になって3ヶ月経った頃だ。もう声が聞こえるだけで、気分が優れないのだ。顔を見たら心拍数が上がる感じ。夜もあまり眠れず、仕事にも身が入らない。なんなら事故に遭って入院でもした方が、どれだけ楽になることか・・・。

基本的に能天気であまり悩まない性質なので、うつなんて自分には縁のない病気だと思っていた。でも、ネットで「かんたんメンタルヘルスチェック」みたいなのを試すと、可能性ありと出る。「今の感じなら当然か」と思い、病院へ行き、薬も出してもらった。会社のメンヘル110番にも電話して、そこで紹介された無料カウンセリングにも2回通った。当時は映画を観る気も起きなかったが、「好きなことをして気晴らししなさい」と言われ、また映画を観るようにした。

結局、それ以上悪くなることもなく、「やっぱりオレはうつにはならん」という結論に至った。その上司は1年ちょっとで転勤したが、あの時は本当に胸をなでおろしたなあ。こういう時、全国転勤の会社はいい。イヤな相手でも数年我慢すれば、別れることができるから。

本作でうつになってしまう「ツレ」が勤めるのは、人を人とも思わない外資系のIT企業だ。あんなシビアなところで、彼のような繊細な人が勤まるとは思えない。ましてやコールセンターでクレーム処理なんてやってたら、胃に穴が開いてもおかしくないし、心が風邪をひいても不思議ではない。

でも実際ああいう細かい人っているよね。まさに「木を見て森を見ず」。そんなことどうでもいいだろと思うんだけど、本人は木しか見えてないんだから仕方ない。あの性格なら、うつ病に一直線だね。

彼にとって幸いだったのは、奥さんのハルが真逆の性格だったことだ。会社が病気の原因だとわかっても、そう簡単に辞めろだなんて言えないよ、普通。仕事しなけりゃ生活できないんだから。それを「会社辞めなきゃ離婚する」と言い切ってまで、夫を救おうとする愛情の深さ。すごいわ。

ついつい自分を責めてしまうツレをなぐさめ、無理をしないよう言い聞かせ、ツレの分まで働いて夫とイグアナとカメを養っていく。いい加減なグータラ漫画家に見えたけど、よくできた奥さんじゃない。まさに妻の鑑だ。

ハルの奮闘の甲斐あって、ツレは徐々に元気を取り戻していく。結婚同窓会での二人のスピーチには、結婚卒業組のこのオレでも、心の底から感動した。「健やかなる時も、病める時も・・・」っていうあの言葉を、この夫婦はしっかりと守ったんだね。それがどれだけ難しいことか、結婚経験者なら大体が知っているはず。

そう、これはうつをテーマにして、理想の夫婦について描いた映画なのだ。夫がああいう状態になった時、どれだけの妻が夫を支えるために自分を犠牲にできるだろうか。ハルには好きな漫画という道があったけど、何のスキルも持たない平凡な専業主婦だったら? 手のかかる小さな子供が何人もいたら? 現実はかなり厳しいものになるはずだ。

だからと言って、本作を偽善的だと言いたいわけではない。逆に心が洗われる思いだ。どんな逆境にあったとしても、相手を思う気持ちがあれば何とかなるんじゃないか。そういう気持ちを、今の相手に持っているのかどうか。結婚した時の気持ちって、どうしたって薄れてしまうものだけど、それを思い出すいいきっかけになる映画だと思う。残念ながら、結婚OBには関係ないけれど。

神様のカルテ」に続いて、同じ役名の奥さんを演じた宮あおい。あっちは人間味が全然感じられなかったが、本作では、時に「少年メリケンサック」を彷彿させるコミカルさで魅力爆発。料理が下手でも家事が苦手でも全然構いません。かわいいわ、情に厚いわ、やる時はやるわで、本当に素晴らしい女性でした。

堺雅人の線の細さは、弱々しいツレにぴったりすぎ。演技なんだけど、演技とは思えない何かがあった。治りかけて調子に乗って、ハルにしつこく話しかける場面は、いけないと思いつつもハルに同調してイライラしてしまった。その後の風呂場のシーンのヤバさはハンパなし。あの場面だけでも、堺雅人は絶賛されていい。

ハルの両親は大杉漣と余貴美子が演じたが、あまり複雑な演技は必要なく、役不足の感あり。一方、ツレの同僚を演じた中野裕太は好印象。最初と後半のギャップがよかった。犬塚弘の味わい深い演技も印象的だった。

「ツレうつ」が出版されて、講演会の依頼まで入るツレ。自分の経験と妻への感謝をたどたどしく語る彼の言葉に、またまた感動した。出来ないさんも登場して、最終的にすべていい人ばかりという結末。こういうのも爽やかでいいもんだね。

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