しあわせの雨傘

フランソワ・オゾンがカトリーヌ・ドヌーヴと再び組んで、70年代女性の社会進出を描くコメディ。DVD借りてきた。
いきなりジャージで登場のドヌーヴに驚いた。さすがにおばさん体型だが、太りすぎということはない。昔は美しい女性だったが、今は逆にかわいいと言った方がぴったり。大女優なんだけど、コケティッシュな魅力にあふれてるのだ。

そんな彼女の役どころは、専業主婦のスザンヌ。仕事でも家庭でも専制君主的なダンナ、ロベールの下でさしたる悩みも無く平和に暮らしている。娘からは愛されてるものの、「ママみたいな『お飾りの妻』にはなりたくない」と痛いところをズバっと突かれる。原題の「ポティッシュ」とは、一見豪華だけど中身は空っぽな「飾り壷」のことだ。

まあ、観てると確かにのんきな社長夫人だ。家事は基本お手伝いさんがやってくれるし、趣味は刺しゅうとポエムなんだもの。あんな刺激も何もないふやけた毎日を、幸せと自分に言い聞かせる生活は、ちょっとイヤだな。でも子供の頃からそういう生活をしていたら、何の疑問を持たなくても当然なんだろうな。

でも、社長が倒れてその椅子を引き継ぐことになってから、彼女の人生は一変する。持ち前の博愛精神がいい方に転んで、雨傘工場の危機を乗り越えてしまうのだ。この辺はコメディでありファンタジーなのだが、ドヌーヴの罪のない笑顔を見せられると、案外これもアリと思えてしまうから不思議だ。

その後スザンヌは、復帰したロベールと娘に経営者の地位を追われる。応援してくれていた市長のババンも、スザンヌの若気の至りを知って落胆し、彼女に対立するようになる。まあ、あれは若気の至りでは済まないけどね。もうご乱心なんだもの。あれだけ美しければ、彼女の誘いに乗らない男はいないと思うが、スザンヌを崇拝していたババンのショックは大きいだろうね。ババンを演じたのはジェラール・ドパルデュー。少年のような表情なので、とてもお偉い政治家には見えなかったが、好演してました。

またまた専業主婦に戻ったスザンヌだが、もう以前のお気楽人生とは縁を切ったみたい。ロベールとの離婚を進める一方で、なんと国会議員に立候補するのだ。共産党議員でもあるババンとの戦いは、スザンヌの勝利に終わる。まさにウーマン・リブの時代だ。支持者への謝辞のあと、「人生は美しい」を高らかに歌い上げるスザンヌ。ドヌーヴの明るい魅力満載の映画だった。

脇を固める俳優陣も、個性が際立っていた。特に、ロベールの愛人兼秘書のナデージュは、ロベールよりもスザンヌに心酔していく様子が共感できた。ちょっとゲイっぽい息子のローランを演じたジェレミー・レニエも印象的。「ある子供」以来だが、ちゃんと活躍してるのね。安心しました。

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■映画『しあわせの雨傘』

カトリーヌ・ドヌーヴがチャーミングなフランスのブルジョア・マダムを演じている映画『しあわせの雨傘』。 可愛くきれいなだけの壊れやすい飾り壺だと思っていたら、実は美しいけれどちょっとやそっとでは壊れない、実用的な壺だった…。 華やかな笑顔の下に図太さ...

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子供の頃から映画が大好き!いっぱい観てきたつもりですが、まだまだ勉強不足です。毎日映画だけ観て暮らすのが夢。


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