リアル・スティール

ものすごく楽しみにしていた映画だ。
今日は休みを取っていたので、
公開初日の初回、イオンシネマにかけつけた。
予告を観る限り、これはロボット版「ロッキー」か、
はたまた「チャンプ」と言ったところ。
SF+ボクシング+親子ものとくれば、
興奮と感動は保証されたようなものだ。
はやる気持ちを抑えて、窓口に並んだ。
そこでわかったのだ。
この劇場では吹替版しか上映しないことを。
字幕派のオレにとって、昨今の吹替版上映はあまり好ましいことではない。
3Dなら吹替の方がいいとは思うが、それ以外なら絶対に字幕を選ぶ。
映画の雰囲気は、その映画が作られた言語でかもし出されるものだから。
日本語では、その映画本来の魅力は伝わってこない。
加えて、子供の頃、テレビの「○○洋画劇場」を観まくったせいで、
吹替だとスクリーンのスケールまでテレビサイズにダウンしてしまう感じがするのだ。
特にエンタテインメント性の高い映画は、吹替版で観てはいけないと思う。
だから、本作は絶対に字幕で観たかった。
だがこの劇場では、選択肢を与えてはくれなかった。
考えちゃったよ、観るのやめようかって。
いったん並んだ列から離れたぐらいもの。
でもすんごく楽しみにしてたのよ。
だから朝イチで来たのよ。
結局、仕方なくもう一度並んで、吹替版のチケットを買った。
地元には他に上映館ないしね。
でもそのとき、窓口のおばさんに一言言わずにはいられなかった。
「字幕はやらないんですか?」と。
そうしたら、「そうなんですよ、とれなくて」と、
社内の人間にしか通じないような言い訳をされてしまった。
客の要望として明確に受け止めてほしかったので、
「残念です」と力を込めて申し入れたが、
おばさんには「はい、すいませ~ん」と軽く受け流された。
ありゃ、絶対に上には伝わらないな。
それでも映画が面白ければ、水に流せるかもしれない。
そう思いなおして席に座った。
実際観始めると、ヒュー・ジャックマンの声はそれほど違和感がなかった。
だから、「もしかして大丈夫かも?」と期待を持ったのよね。
でも、子役の登場で「あ、やっぱダメかも」と思った。
マックスを演じているダコタ・ゴヨが素晴らしいのに、
セリフが全然リアルじゃなくて、溝ありすぎ。
だけど、それでもまだガマンしようとしたのよ。
これはまずいと思ったのは、「動物園」におけるアトムのデビュー戦だ。
あの迫力ある見せ場に日本語はまったく合わない。
盛り上がる場面ほど、違和感が激しくなるのだ。
あそこは絶対に英語のセリフでないと、観ていられない。
そして完全に冷めたのが、アトムVSツイン・シティーズ戦だ。
観ている間ずっと、「あ~あ、これが原語だったらなあ」という気持ちに圧倒され、
せっかくの感動にも水を差されっぱなし。
特に、酒場で観戦するベイリーのセリフはひどすぎだ。
ああいう女性がテンション上がって結構激しいセリフを吐いても、
それが英語ならカッコよく見えたりするもの。
でもそれが日本語だと、どうしても嘘くさく聞こえるのだ。
いくら吹替に天海祐希を起用しても、言語感覚の違いまではカバーできんて。
もちろんクライマックスのアトムVSゼウス戦も、
画面は最高に盛り上がってるのに、完全にのめりこめない自分がいて悔しかった。
予告編でチャーリーがアトムに "Watch me!" って語りかける場面、
すごくカッコよかったのに、劇中では「オレを見ろ」なんだもの。
ベイリーの応援も本当は感動的なはずなのに、出てくるたんびに興醒めする。
映画は間違いなく傑作だと思う。
でもそれを観る環境が劣悪だった。
なので、数ヵ月後にレンタルが始まったら必ず借りてくる。
その時に改めて記事をアップすることにして、
今回は異例だけど映画のレビューは一切行わない。
代わりに、このブログを使って、イチ映画ファンの希望を明確にしておきたい。
吹替版をなくせとは言わない。
積極的吹替派の人もいるし、字幕を読む力の衰えたご老人や、
単なる面倒くさがりを劇場に呼び込むには必要な手段なのだろう。
だからせめて、3D映画と子供向けアニメ以外を上映するときは、
字幕版と吹替版の両方を用意して、観客が選べるようにしてほしい。
でなければ、本当の映画ファンは映画館から離れていってしまうよ。
だって今や、家でいくらでも映画が観られる時代なんだから。
映画を映画館で観ない方がいいなんて、本気で考えたのは初めてだ。
だからあえて長々と書かせてもらった。
次の質問に、気軽に答えていただけるとありがたいです。
いろんな意見があると思うので。
そのとおりと思ったら、ポチッ!
はたまた「チャンプ」と言ったところ。
SF+ボクシング+親子ものとくれば、
興奮と感動は保証されたようなものだ。
はやる気持ちを抑えて、窓口に並んだ。
そこでわかったのだ。
この劇場では吹替版しか上映しないことを。
字幕派のオレにとって、昨今の吹替版上映はあまり好ましいことではない。
3Dなら吹替の方がいいとは思うが、それ以外なら絶対に字幕を選ぶ。
映画の雰囲気は、その映画が作られた言語でかもし出されるものだから。
日本語では、その映画本来の魅力は伝わってこない。
加えて、子供の頃、テレビの「○○洋画劇場」を観まくったせいで、
吹替だとスクリーンのスケールまでテレビサイズにダウンしてしまう感じがするのだ。
特にエンタテインメント性の高い映画は、吹替版で観てはいけないと思う。
だから、本作は絶対に字幕で観たかった。
だがこの劇場では、選択肢を与えてはくれなかった。
考えちゃったよ、観るのやめようかって。
いったん並んだ列から離れたぐらいもの。
でもすんごく楽しみにしてたのよ。
だから朝イチで来たのよ。
結局、仕方なくもう一度並んで、吹替版のチケットを買った。
地元には他に上映館ないしね。
でもそのとき、窓口のおばさんに一言言わずにはいられなかった。
「字幕はやらないんですか?」と。
そうしたら、「そうなんですよ、とれなくて」と、
社内の人間にしか通じないような言い訳をされてしまった。
客の要望として明確に受け止めてほしかったので、
「残念です」と力を込めて申し入れたが、
おばさんには「はい、すいませ~ん」と軽く受け流された。
ありゃ、絶対に上には伝わらないな。
それでも映画が面白ければ、水に流せるかもしれない。
そう思いなおして席に座った。
実際観始めると、ヒュー・ジャックマンの声はそれほど違和感がなかった。
だから、「もしかして大丈夫かも?」と期待を持ったのよね。
でも、子役の登場で「あ、やっぱダメかも」と思った。
マックスを演じているダコタ・ゴヨが素晴らしいのに、
セリフが全然リアルじゃなくて、溝ありすぎ。
だけど、それでもまだガマンしようとしたのよ。
これはまずいと思ったのは、「動物園」におけるアトムのデビュー戦だ。
あの迫力ある見せ場に日本語はまったく合わない。
盛り上がる場面ほど、違和感が激しくなるのだ。
あそこは絶対に英語のセリフでないと、観ていられない。
そして完全に冷めたのが、アトムVSツイン・シティーズ戦だ。
観ている間ずっと、「あ~あ、これが原語だったらなあ」という気持ちに圧倒され、
せっかくの感動にも水を差されっぱなし。
特に、酒場で観戦するベイリーのセリフはひどすぎだ。
ああいう女性がテンション上がって結構激しいセリフを吐いても、
それが英語ならカッコよく見えたりするもの。
でもそれが日本語だと、どうしても嘘くさく聞こえるのだ。
いくら吹替に天海祐希を起用しても、言語感覚の違いまではカバーできんて。
もちろんクライマックスのアトムVSゼウス戦も、
画面は最高に盛り上がってるのに、完全にのめりこめない自分がいて悔しかった。
予告編でチャーリーがアトムに "Watch me!" って語りかける場面、
すごくカッコよかったのに、劇中では「オレを見ろ」なんだもの。
ベイリーの応援も本当は感動的なはずなのに、出てくるたんびに興醒めする。
映画は間違いなく傑作だと思う。
でもそれを観る環境が劣悪だった。
なので、数ヵ月後にレンタルが始まったら必ず借りてくる。
その時に改めて記事をアップすることにして、
今回は異例だけど映画のレビューは一切行わない。
代わりに、このブログを使って、イチ映画ファンの希望を明確にしておきたい。
吹替版をなくせとは言わない。
積極的吹替派の人もいるし、字幕を読む力の衰えたご老人や、
単なる面倒くさがりを劇場に呼び込むには必要な手段なのだろう。
だからせめて、3D映画と子供向けアニメ以外を上映するときは、
字幕版と吹替版の両方を用意して、観客が選べるようにしてほしい。
でなければ、本当の映画ファンは映画館から離れていってしまうよ。
だって今や、家でいくらでも映画が観られる時代なんだから。
映画を映画館で観ない方がいいなんて、本気で考えたのは初めてだ。
だからあえて長々と書かせてもらった。
次の質問に、気軽に答えていただけるとありがたいです。
いろんな意見があると思うので。
そのとおりと思ったら、ポチッ!

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[719] ありすの日々の戯れ言
初めまして。映画のレビュー楽しく拝見しています。私も映画は字幕派です。吹き替えだと、どうしても世界に入り込んでいけません。言語の違いが文化の違いでもあり、海外の映画を見ることの意味でもあると思うので。その映画の持つ空気感が吹き替えだと伝わってきません。選択の自由が無いのは絶対おかしいですよね!
[720] >ありすさん
貴重なご意見ありがとうございます。100%同感です。
自分が子供のころは、ロードショーで吹替版なんてなくて、字幕が当たり前でした。小学生のガキンチョが字幕を全部追えていたかどうか定かではありませんが、あれで訓練されたおかげで英語は嫌いじゃないですし、外国語の作品はその国の言語で観るのがベストだと思っています。その言葉でしか出せないニュアンスってありますよね。
今後、吹替しか上映しない風潮が出てこないよう祈るばかりです。そうなったら映画館には行かなくなるでしょうから。
自分が子供のころは、ロードショーで吹替版なんてなくて、字幕が当たり前でした。小学生のガキンチョが字幕を全部追えていたかどうか定かではありませんが、あれで訓練されたおかげで英語は嫌いじゃないですし、外国語の作品はその国の言語で観るのがベストだと思っています。その言葉でしか出せないニュアンスってありますよね。
今後、吹替しか上映しない風潮が出てこないよう祈るばかりです。そうなったら映画館には行かなくなるでしょうから。
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□作品オフィシャルサイト 「リアル・スティール」 □監督 ショーン・レビ □脚本 ジョン・ゲイティンズ□原作 リチャード・マシスン □キャスト ヒュー・ジャックマン、エバンジェリン・リリー、ダコタ・ゴヨ、アンソニー・マッキー、 ケビン・デュラン?...
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映画:リアル・スティール
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